Q1. 乳幼児の保湿について

赤ちゃんは生涯の中で最も皮脂が少ない状態なのでこまめに保湿することが奨励されておりますが一度でもステロイドを使用した子供についてはやはり保湿はしないほうがいいのでしょうか?

A1. 佐藤先生

子供の場合はかなり柔軟性があるので一回くらいステロイドを塗ったくらいで脱保湿をしなくてもいい。長期間ステロイドを使用していた患者さんでも突然止めるとしんどくなる。子供に自分でかくのやめろといっても無理なので、徐々に減らしていったらいいと思います。焦らずゆっくりすこしずつやめていったらいいと思います。あまり深刻に考えないほうがいいですよ。

 

Q2. 高校生の息子脱ステについて

ステロイド使わせていることに疑問と不安を抱きながら小学4年生くらいからずっと使用しているが、『自律神経免疫慮法』という本を読み、ステロイドをやめる必要性に気付き、そこに載っていた医者の所に電話をして医療機関に「ステロイドを断つことをしたいのですが」と電話をすると、「そうやってあなたは人に頼って本当に自分でお子さんを治す気があるのか」ときつく言われ、今はどこにも掛からずにステロイドを断って一週間ちょっとたつのですが、日に日に悪化するのを目にするとどのように対処すればいいのかわからない。やはりお医者さんの指導のもとにやっていかないといけないものなのでしょうか?
息子が外に出るのを嫌がり、友達から誘いの電話があっても家に引きこもるのが心配です。
入浴について、かいて頭のほうの湿疹もひどく髪も洗えず、ただシャワーで流すだけでよいのでしょうか?

A2. 佐藤先生

やめて一週間で今後どうしたらよいかということだと思いますが、今どこに住んでおられるのですか?千葉ですか?そしたら関東に脱ステの病院が二つあるからそこに行けばいいんですよ。
息子さんが外出を拒む件ですが、そこは何とか説得してもらうしかないです。
時間がかかっても車に乗ってもらって他の人があんまりいない時間に行ってもらうしかない。

そこは御本人がそれを納得されるかどうかだと思います。
やっぱりステロイドを止めたら、今は特に一番しんどい時だと思うんですよね。
そんな時本当に治るんかどうか、非常に不安だと思うんですよ。
入浴方法については、今の状態を医者のほうも見ないとどうしようもない。入院設備のある所へ入るのも選択肢の一つ。そうしたら、同じような病気の人もいるので、そんなに気にしなくてもいい。時間がかかっても外に出させる。息子さんの症状を見てみないと何とも言えない。

みなぐち先生:距離的には大阪に来るより埼玉に来るほうが近いと思いますが、私のとこと佐藤先生の病院ではキャパが違い、病院自体の体制も違いますが、ちょっと個室病院になってしまうと思いますが、もしよかったら一度診察にいらしてください

水島氏:もうすぐ春休みはいられるんですよね?小学何年生?えっ、高校生?入院は生活指導をさせてもらう体験入院みたいなもの。今後どうやったら自分がどうやってみたらいいか学び精神的にいろんなものが勉強できる。

佐藤先生:一言だけ追加で言いますと、今までの入院患者で最年少は6歳の年長さんです。それでも一人で頑張っておられました。

 

Q3-1 これからの治療について

質問者:30代男性患者 脱ステ後4カ月経過

引っ越し先の病院を訪ねたらアズノールという非ステロイド軟膏を渡され、勢いで脱ステやってしまっていて、今はだいぶ症状が落ち着いています。

一番気になっていることは最終的にはステロイドが抜けて自分の治癒能力が高まってきたとき本来のアトピーの症状が残るという話だと思うのですが、そうなったとき実際に百人が百人、これから治療しないでいいのか、という状況になるのか。それは違うんじゃないかなと思い、そうなったとき今後の治療をどうやったらいいのか?。

A3-1. 佐藤先生

脱ステをした後にアトピーが残ってそれが悪くなることがあってそのときはどないしたらええかということですよね?それは要するに、ほっといたら治るわけですから基本的にはなにもしない、ただし皮膚が治るため出来るだけ保護はする。たとえば肘なんかで傷があったらガーゼで巻いてやると痛みがかなりマシになるのでね、ガーゼを3日、4日連続で巻いてやると意外と皮膚の保護になるので意外と良くなる。それは悪くなった時点でどこのどういう部分がどういう風に悪くなったと考えてやるしかないと思います。

 

Q3-2. バリアー機能について

アトピー患者は一般的にバリアー機能が低下していてセラミドを作る機能が欠如していると聞いているのですが、そうした場合痒みは結構残るんではないかなと思うのですが、その辺はだいぶ改善されるのかどうか?

A3-2. 佐藤先生

それから痒みが残るかということなんですけど、後で体験談を話した方に答えてもらってもいいと思いますが、皮膚が良くなって来ても痒みがずーっと残ることが度々ある。逆に私なんかが入院中に説明するのはね、痒みで皮膚の状態を絶対判断しないでくださいねということなんです。で、皮膚が良くなる過程というのは決まった過程があるので、それがどういう風に移って行って来ているのか自分の皮膚の評価して欲しい。その前に痒みが絶対にあてにならない。どっちかというと、良くなってくるとかえって痒みがひどくなることもある。だからそういう意味ではね、痒みについては皮膚が良くなってきても残る、ただし本当に良くなって顕微鏡で見て初めてわかるような傷がなくなってきたらだんだん痒みはなくなっていくと、考えられます。

Q3-3. 副腎皮質の能力を調べるテストについて

弟もアトピーで、副腎皮質の能力を調べるテストをやったそうですが、実際そういったものがあるのかどうか?
実際に生産する能力が正常値だから脱ステをやっても意味がないと言われたそうですがそういったケースがあるのでしょうか?

A.3-3 佐藤先生

それと副腎抑制のことなんだけどね、外用剤をつけて副腎抑制が起こるということは色んな議論がされています。実際にかなり強いのをたくさん塗っていて意外と本当の副腎抑制は起こらないんですよ。だからそれは正しいんですけどね、問題は皮膚に付けたそこでおんなじことが起こっていないかどうかなんです。まだ完全にわかっていないんですけど、皮膚の細胞の中に副腎機能とほとんどおんなじ位の代謝経路あるんですよ。だからそこでのおそらく皮膚だけのね、副腎抑制という感じのことは起こっています。だからより正確な表現で言うと、副腎皮質が不全の状態にはなって来ている、皮膚だけでね。だから、やめるとドカッと悪くなる。だからそれは本当に副腎のほうの抑制で起こっているのではないけど、そういうことは起こるんですよ。そこは日本の皮膚科学会は全然言わない。世界中知らない。しかし、ちゃんとそういう論文は出始めている。で、もうひとつなんか言わはったよね?どない?

質問者:いや、そのへんで…

藤澤先生:百人が百人よくなるかと、みんな完全に100%よくなるかというか…

佐藤先生:やっぱり人によってはかなり残る人もいる。本当に全部なくなってしまう人もいます。一つねアトピーが残るということなんですけどね、副作用が残ってアトピーがなくなってしまう方もいます。だから副作用がなくなったらアトピーが本間にないという人もいます。

 

Q4. 9か月の乳幼児について

離乳食を始める前にアレルギーの検査をたまたま受けまして、そしたらIgeが1300位で卵白、牛乳が結構高い4とか5とか、離乳食は完全除去にという指示が出たんですけど、私自身も母乳をだらだらと続けてしまっているものですから、除去は意味があるのか?

A4. 佐藤先生

まったく意味がないです。あなたも完全普通の食事をしたほうがいいです。で子供さんが検査で陽性だったからといっても、それでなんか起こるかというと非常にまれです。だから検査が陽性だから制限しなさい。というのは論理的に間違いなんです。なんか食べてて反応が起こってその食べたものに対して陽性だったとしたら、その時はちょっとそれだけはやめましょう。となるんですよ。

だからまったく逆なんですよ。
卵に関しては別にあわてて食べる必要もない。待ったらいいんですよ。1歳以降に。

 

Q5. 11ヶ月乳幼児について

質問者: 生後5ヵ月でステロイドを使用を始めたが効かなくなり2カ月間使用したり止めたりを繰り返し、現在脱ステをして3カ月経過

やっぱり脱ステをして最初はものすごいことになって、滲出液がだらだらと出て夜はかきむしってシーツが血だらけになった。ただやっぱりいま振り返ってみると頬のほうが残っていて、おなか足に出ていた貨幣状の湿疹はかなり解消してきたかなと思っていて、ただやってみて、脱ステをして良かったなと本当に思っているんですが、この後ちょっと気になっているんのは頬の部分が最後治るのかなと治らないのかなというのが心配です。ステロイドやめたからと言って最後アトピーの部分が最後残るのかなというのは個人差があると先ほどおっしゃっておりましたが、体の部分についていえば、服を着ている部分に関してはかくのが抑制されている気がするのですが、顔については常に出ているのでそれでかいてしまって、それが悪化につながってのと思っているのですが、顔についてはチュビファーストというのが出ているのですが、包帯みたいなもので覆うというのは先生としてはどうなんでしょうか?そこはやっぱり保湿につながるので良くないでしょうか?

A5. 佐藤先生

それはあると思います。チュビファーストは意外とね、圧迫するんですよ。だからそれで良くないということは意外とあります。だからかなりゆったりしたやつだといいですね。
網の包帯をつけてガーゼを1枚つけてというやり方をすると保湿にならない。ので、意外と皮膚の保護にもなるのでそういうやり方をするんですが、(私の病院では)チュビファーストはあまり使わないようにはしています。チュビファーストは意外と滲出液がくっついたりすると取る時が大変なんです。
だから1枚下のガーゼ1枚はくっついているけど、3日でも4日でもつけていて構わない。細菌感さあんまりおこらないから。

 

Q6. 痒みを止めるいい方法について

質問者: 40代男性患者 脱ステ2ヵ月経過

脱ステ中は痒みがひどくて我慢するのが大変だったのですが、痒みを止めるいい方法があれば教えてもらいたいと思います。たとえばですね、飲み薬とか方法があれば教えていただきたいと思います。

A6. 佐藤先生

あの、こういう言い方つらいかと思うんですが、その痒みを抑えることができるのはステロイドだけなんですよ。だから絶対止めたいと思うのなら、ステロイドしかないです。しかしちょっとだけ痒み抑えることができるものとしたら、例えば痒みどめの飲み薬だとか、それから出来るだけ服を薄着にする。夜布団を薄くするとかね、部屋の温度を低くするとかね。ストレスを減らすとか。痒みに対してあるいは皮膚に対して自分の神経を集中しないとかね、そういうことをするとちょっとは減ります。しかし完璧に減ることは絶対ないです。10痒かったら2とか3位は減るという段階です。あとは掻いたらいいんです。掻いても塗り薬止めてると段々傷が付かなくなります。

 

Q7. アトピー患者と腸内環境について

質問者: 30代女性患者

質問が二つありまして、私自身もアトピーなので今まで色々と試行錯誤してきたんですけど、その中でアトピーの人の中で割と便通異常の人が多いんじゃないかなぁということがありまして、例えば腸内環境とかそういうお考えがなにかあったら教えてもらいたいのと、あと治療は基本的に脱ステロイド脱保湿という何もしないということだったんですけど、例えば細菌感染しているような時は抗生剤を使ったりする場合はあるのでしょうか?

A7. 佐藤先生

腸の異常はあるという説はあるんですが、まだはっきりしていないんです。
入院患者さんを見てる限りでは、別にそれを気にするほどのもんではないみたいですよ。ただ脱ステ脱保湿をする時に(皮膚の瘡蓋を早く作らせる為に)水分制限をするとどうしても便秘になりやすいです。あるいは痒みどめの飲み薬を飲んでそれの副作用で便秘になりやすいので、それをちょっとでも少なくする方法を薬物くらいしかないんですが、使うときはあります。
それから細菌感染のときはもちろん点滴をしたり内服薬をしたりします。それは別に皮膚に対して悪い影響を与えずにちゃんと良くなる方向には動くと思います。

 

Q8. 8歳になる娘の脱ステ後の菌血症の発症との関係性について

生後間もなくから色々湿疹が出てきて、ずっとステロイドを塗ってきています。昨年の12月にどうもステロイドの入った軟膏を塗っても、治らない、むしろ痒くなるということで、塗るのをやめようと娘に話をして、ついでにもらっていたアタラックスPも飲み薬もいっさい止めて2週間たった時に、今までと明らかに違う様子になって病院に駆け込んだところ、菌血症を発症してしまった。皮膚の表にいる菌が血液の中に入ってしまったということなんですけど、それがまたMRSAだったので2週間点滴治療を受けました。で、8歳になる前も何度もステロイドを使う、ステロイドを頼る生活をいやだなと思い、ときどき止めてはいたんですけど、夜眠れないとか日常生活が送れなくなるということで5日で断念したり、10日で断念したり、ということを繰り返していたんですが、お聞きしたいことは一度菌血症などを発症してしまった場合に、また自己流でステロイドをやめた時に菌血症になりやすい体質があるのかどうか?たまたま偶然だったのか?自然治癒力を高めるという点ではステロイドをときどき止める日常生活をなんとか眠れる痒み程度にステロイドの量とか減らすということは自己免疫治癒力を高めるという点で効果があるのかどうか、本当は入院して脱ステロイドを導いていきたいと思っているのですがなかなか今それが難しい状況なので、今家庭で出来ることはなんなのか知りたくて教えていただきたいと思います。

A8. 佐藤先生

その菌血症といわれたのはどこで言われたのですか?

質問者:近くの総合病院です

佐藤先生:小児科ですか?皮膚科ですか?

質問者:皮膚科と小児科です。

佐藤先生:どんな症状があったんです?

質問者:いままでステロイドを止めて2週間で7度5分位の微熱はあったのですが、突然すごく寒がって39度5分の熱が出まして寒くなる前の晩からじんましんがぼつぼつ全身に出始めて、あとは体中が腫れあがって、瞼が閉じられなくて白目をむくような感じで、どんどん真っ赤になって来て、受診しました

佐藤先生:なんかねぇ、かなりしんどかったんですかね?あのね、皮膚の感染を起こすことはあることはあるんですね。ただそんなにしょっちゅう起こるわけではない。で、熱があっても39度とか40度になることはあるんですけどね、検査をすると最近はどんな場合でもMRSAが出ます。しかし今の話では2週間くらいで治療をしたら治っているでしょ?そしたらね、おそらくMRSAは偶然ちょっとおっただけでそのほかの菌で熱が出ていただけだと思います。だからMRSAはあんまり気にすることはないと思います。だから少なくても細菌感染があったとしても、たいていは適当な抗生物質で治療をすれば良くなるはずです。だからそれはあんまり気にしないほうがいいです。で、ステロイドをちょこちょこって塗って何とかな話なんですけど、ステロイドを塗って調子よくいければそれで構わないと思うんです。ただそれが免疫機構を低くするか高くするか、それは間違いなく低くします。絶対高くなることはないです。だから短期間であれ、ちょっとずつやっておれば絶対免疫機構は落ちると思います。あなたのお嬢さんはもう何年か塗っておられるでしょ?それで止めて悪くなるんであったら、良くなる方向には絶対に行かないと思います。だからお母さんが考えておられるように、ちょこっと塗ってなしでちょっこっと塗ってなしでいけるかどうかというと、無理だと思います。やっぱり根本的に止めて行かないとあかんと思います。その場合にやっぱりきちんとしたところで治療をするという必要性はあると思います。あの、実際ね入院しっとって全身ひどくなってずるずるになった場合にねあんまりね今言われたような菌血症になることはめったにない、ほんとにないです。だからその間どういうことをしていたかというと今の話ではわからないので実際に起こっていた時の皮膚を見ていないので私としたらあなたの言われていることを十分理解していないのかもしれない。けど、細菌感染に関してはあまり気にしていません。よく新聞にね、ほったらかしにしていてね、MRSA感染になって死んでしまった出てくるでしょ?あれはねおそらくむちゃくちゃなことをしている。おそらく虐待レベルのことがあったんだと思います。そういうことをしない限りはそういうことが起こらないと思います。あの新聞で出ちゃったのも宗教を信じちゃってまったく医療を受けさせなかったということでしょ?それでおかしくなっちゃたとういことやから、ちゃんとしたことをしていたらそういことは起こらない。で何しろ今の話ではきちんと止めて行くことがいいと思います。その場合にはね、突然止めたらしんどいと思うので例えば一日塗って二日止める、それを一週間でも二週間続けるでしょ?でちょっと楽になって着たら、一回塗って三日開ける、とかね。何カ月もかけて、ちょっとちょっとずつ減らすほうがいいと思います。早く焦って止めるほうがあかんと思います。ステロイドを減量するときは本間にゆっくりゆっくりやっていかないとだめな場合も多いです。つい最近に、えらい治療で、ずーっと仕事されていた方なんですけど、成人女性なんですけど、一年位かけて結局ほぼ全身塗っていたのを全部止めることができました。で、その人の場合は最後のほうは一日塗って一週間とか二週間開けてそれでも悪くなるからちょこっと塗って、そういうレベルまで減らしていくんです。それぐらいゆっくりゆっくりしていくと意外に子供さんでも楽に止めることができる場合もあります。だから特に大人の場合ではなく子供の場合は、突然ポンと止めるというやり方は勧めません。よろしい?

質問者:お聞きしたいんですけど、頻度を減らしていく見極めというのは今標準治療で治療を受けているんですけど、そうするときれいな状態をキープしましょう。って強力なステロイドをどんどん処方されているという感じなんですけど

佐藤先生:それはもう絶対だめです

質問者:あ、はい

佐藤先生:だから、もう多少は悪くはなります。

質問者:多少痒くても、夜眠れなくなっても、ま、大丈夫かなぁ、と親の目から判断してじょじょに減らしていったほうがいいということですね?。

佐藤先生:そうです

 

Q9 軟膏治療について

質問者: 3ヶ月の乳児(ステロイド未使用)の母

頭から顔全体に出ている状態なんですけど、先ほどの体験談で四カ月の軟膏治療はされていたという話でしたが、そういった軟膏治療は受けたほうがいいのでしょうか?

A9. 佐藤先生

塗らんと思ったら別に塗らんでもいいんちゃうんかな?

質問者:保湿とかも、特に必要ないと?

佐藤先生:いや、あなたが塗らんといかんと思う理由は何なんです?

質問者:あの、かなりひどく出ていて状態なので

佐藤先生:どういう風にひどいんです?かさぶたがいっぱいあるんですか?

質問者:そうです

佐藤先生:あー、それぐらいだったら別にほっといたらいい。

質問者:ほっといたらいい…。わかりました。

佐藤先生:かいてます?

質問者:ちょっと痒そうに手が行く

佐藤先生:ジュクジュクしてますか?

質問者:そうですね、ちょっと汁が出ている状態です。

佐藤先生:ちょっとだけ?あ、ほんならほっといてください。

質問者:わかりました。ありがとうございました。

佐藤先生:今のね、おそらく脂漏性皮膚炎だとおもうんですよ。かさぶたでね、帽子見たいになっている状態だと思うんです。それをね、無理に早くとろうとすると、かえって下の皮膚がちゃんと出来ないんですよ。でだからね、焦らずに。もし取りたいと思ったらね、オリーブオイルなんかをつけて柔らかくしてね、それが自然に取れるのを待つという手もあります。今の話ですと、そんなにあわててはがすこともないと思います。

 

Q10. 6歳女児について

二か月でずいぶん、止めた途端に急にきれいになっていったんですけど、何もなっていなくても、夜中は痒がって眠れないので、昼間あくびをよくしているんですが、そういう場合でも何も塗らないでいたほうがいいのでしょうか?というのと、あとストレスに弱いというか、ちょっとやなことがあると掻き毟っちゃう、そういうストレスに弱い子供に対しては、ストレスを与えないほうがいいのでしょうか?
強くなるようにちょっと厳しくしてあげたほうがいいのか?あと、大人になってからやっぱりストレスは良くないと聞くんですけど、仕事もストレスの少ない仕事をついたほうがいいのか?

A10. 佐藤先生

年齢いくつでした?

質問者:7歳です

佐藤先生:まぁ、まだかくでしょうね。ほったらかしにしとったらええ。そんなん気にせんと。

質問者:夜もですか?なんかちょっと寝れないみたいなんですけど…

佐藤先生:あの、昼に運動してます?

質問者:してないです

佐藤先生:やっぱり、動いてね、疲れないと寝れないですからね、そちらのほうが重要だと思います
それと色んな質問、お母さんの心配はアトピーの人とは関係なく、普通に子供に対してするだけでいいと思います。だからね、アトピーと関連させて考えること自体がその人に取って良くない

 

Q11. 脱ステか標準治療かについて

質問者: 成人女性患者

成人型アトピーと接触性皮膚炎と言われて去年に暮れに入院していたんですけど、昔ずっとステロイド使っていて、で6年使わないでずっとうまくいっていたんですけど去年の暮れにひどく悪化して入院していたんですけど、その入院している間に脱ステしてステロイドなしでやってきましたというのを言ったら、「何そんな古いこと言ってるの?」とか「今時ステロイドを拒否するなんて古い」とか、「標準治療が普通だ」とか、「脱ステはとにかく古い」という考えで、「ステロイドはそんに怖いものじゃないので、なんでそこまで悪化するまでほっといたんですか?」ということを言われたんですけどね。実際は現在はどちらが…私自身もわからなくなりまして、脱ステがすべてだと思って、ステロイドを止めてだいぶ調子が良かったんですけど、正解だと思っていたんですが、入院するほど悪化してしまい、入院中は大きな病院なんですけどね、毎日のように脱ステをするなんてをするなんてばからしいというか、そういう風な先生のご意見だったんですけどね、それでどちらが本当にいいのかわからなくなってしまった。今度また悪くなった時には、どちらにしようかなと考え中なのですが。

A11. 佐藤先生

それにたいしては私が答えるというよりも、さっきの患者さんの体験談を聞いてどう思われたかということを逆にお聞きしたいです。
どうです?あれが古いことですか?

質問者:いえ、わたしもステロイドは使いたくないと思い、ずっとやって頑張ってきたんですけども…

佐藤先生:一番に最初に私が言いましたけどね、学会レベルでは新しい治療として免疫抑制剤、臓器移植の時に使うような強烈な免疫抑制剤を使うことが非常に新しいいい治療だという風に思われますか?

質問者:思いません

佐藤先生:あ、うん。

質問者:でも、毎日のように二週間ずっとそれを言われ続けたので、もう、そういう大きい病院のお医者様が言うとそうなのかな?とも、気持ちがそちらに傾いたり、してるんですけどね

佐藤美津子先生:そうですよね。子供でもねアトピーの子供が入院すると、ステロイド塗りなさい、例えば肺(喘息)で入院してもね皮膚ばっかり見ていただいて、ステロイド塗りなさい、塗りなさいと毎日来るんですって。毎日来て言うんですよ。で、それに耐えられるお母さんと耐えられないお母さんがいてましてね、耐えられなくて塗りはる方もいるんですよ。でも、退院したらすぐに止めてますけど。佐藤先生の勤めていた伊丹にある近畿中央病院は車で一時間位で遠かったから、なかなか紹介しにくかったけれど、今は阪南中央病院なんで小児科もいてるし、ほんとに子供を紹介しやすくなりました。感染症があっても阪南中央病院を紹介してステロイドを塗らないで治療をしてもらうという形でみなさんやってもらっています。で、今日はお子さん連れのお母さんが多かった感じがしたので、もしアレルギーの検査をしていないのであれば、しないでください。するとね、すごく気になるんです。昔からのやり方のひと匙あげて反応を見ながらあげるようなやり方で十分だと思うんです。血液検査が例えIge抗体が100以上でも食べれる子ってたくさんいるんです。ただ、検査をしてしまうと食べれなくなってしまう。例えば、その検査をして三項目位ずーっと制限されている方もいらっしゃいますが、そいう方が男の子だったら結婚してね連れ合いがそういった除去食を作ってくれるかというと、そんなん絶対作ってくれないので、あの最低じんましん位だったら食べて反応見ながら食べさせていこうというやり方も出てきてますのでね、ショックだったら別ですけどじんましんなら彼は一年位あげないでって言ってましたけど、一か月にいっぺんくらいあげさせてみて、様子を見ながら回数を増やせてみてもいいんじゃないかなと思いますけどね。私の所にいらしてる方見て100以上の方も食べてる方たくさんいらっしゃいますよ。ただ血液検査はしないほうがいいかなと思います。

佐藤先生:あのね、古い新しいという問題じゃなくてね、どちらが正しいという問題だと思うんですよ。で、古いと言っている方はね、おそらく脱ステの方法なんで全然知らない。ほんとに知らない。今日はい全然言ってはいないんですけどね、皮膚の重症度はちゃんと分類があるんですけどね、それなんかに関しても非常に問題があるんです。例えばさっきから、乳幼児の体験談を話された方も言ってたんですけどね、治っている過程というのはだいたい決まってルートがあるんですよ。で、その中で良くなって来た時にねものすごく悪くなるんですよ、ステロイドをつけている時は非常にきれいですけど、止めた時ドカッと悪くなるでしょ?そっから良くなるわけですよ。そのドカッと悪くなる時にみんな心配して(標準治療の病院へ)行くんですよ。そしたら脱ステしてるやつは無茶苦茶しとるとなるんですけどね。そやけど、どういうルートで皮膚が良くなっていくかということが問題であってね、ある時点が重症であるかいうことが、治療の考える場合において一時期の症状しか見ないというのは全体を見ていないという意味で全くだめなんです。で今の皮膚科学会の重症度分類というのはある時点がひどいかひどくないかという、ひどかったら塗りなさい。ということなんですよ。そやけどね、脱ステしてる場合はある一定のルートを絶対通ります。良くなってきたらひどくなるんです。そういうことを全然知らない。そういう人が古い新しいを言ったとしても、私なんかには全く何にも響かない。あほかと思ってるだけなんです。だから、古い新しいということを言ってる人はおそらく全く脱ステをどういう風にしたらいいか知らない。だから聞いてみたらわかりますよ。

質問者:すみません失礼な質問で。ありがとうございました。

来場者の方からの補足;生物研究職:すみません、専門がちょっと近いものを…生物系を専門にしてるものですから。私自身、お恥ずかしいですが研究職なんですけどね、どちらが正しいかと言われた件ですが…日本だけちょっと特殊なんですよ。日本のお医者さんがもう不思議な程海外の情報、論文の情報を御存じではないのに私自身が何人も大病院の大学病院の先生にもかかりましても、あぜんとする状況だったんですよ。で、たどり着いたのがこちらの佐藤先生が中心になってやっておられる脱ステロイド療法なんですけどね、例えばねステロイドが反応…ううん、なんて言うんだろう、効かなくなる人ってホントにいるんですけども。それはなにもアトピー性皮膚炎だけではなく、つい最近フィンランドのグループなんですけどね、ステロイドの受容体が出て、誘導されてくる人ってある一部でいましてこういう人たちってステロイドは全く効かなくなります。というデータが英語では出ています、なのに全然日本の先生は御存じなかった。これも喘息の分野では5年位前からわかっています。治療のペーパー(※1)、のほんとに分野をちょっと分野を変えれば結構研究されている部分なんです。なぜか、日本ほど皮膚科の先生は全くその状況を御存じではない、ほとんどの先生は御存じではない。ということは申し上げておきます。判断の一条にされて下さい。ほんとに日本は驚くべき状況です、研究者の目から見て驚くべき。私はこちらの先生の治療を選択したいと思います。

※1 佐藤先生による説明
英語で論文のことをペーパーと言います。
治療に関係した論文でも、分野が違えば(ここでは皮膚科のアトピー性皮膚炎と内科の喘息の違い)医師は他の分野の論文を読まないことをこの質問者の方はけしからんと怒っておられるのです。
でも、分野が違うとなかなか立ち入って論文を読むことは難しいです。違う分野の基礎知識がないとその分野の論文は理解するのに時間がかかり、ついつい見ないでおくことが多いです。更に、同じステロイドでも、塗る相手の細胞の性質が同じかどうかわ分からないので皮膚と気管支粘膜で同じことが言えるかどうかは分からない可能性があるからです。

みなぐち先生:ステロイドを使う先生というのは患者さんが「これでどうしてステロイドを使うんですか?」と言うと、ほぼガイドラインにそういう風を書いてあるからそういう指示が出ているから、これが標準治療だからという言葉をまずおっしゃると思うんですね。私たちの脱ステロイドを推進している先生方は脱ステロイドをやると治るからと言うと思うんです。そこの言葉の違いに良く注意していただいて、その先生が治るからという言葉を頂かないと患者さんしてはあんまり信用しない方がいいと思います。そういう治療をやれって言われているから、それが主流だから、それがガイドラインで指示されているからというのは、その先生が治す気持ちがあるのかと私は疑います。だから、色んな皮膚科に行ってみなさん苦労して医者から怒られてるっていうのはわかっていますけど、患者さんの立場としてなかなかどこをどういう風に突っ込んでいけばいいのかわからない現状だと思います。標準治療だからと言われたら、じゃ先生はその標準治療で治ると思いますか?その先生が治す気がそれでちゃんと治るという保証はあるのか?ちょっと確認して、押し問答をしていただきたいという気持ちがあります。

水島氏:私どもの会の方としてはガイドラインの改定の中にステロイドで治らない者もあるというのを認めさせる。実際はステロイドを小さい時に塗って良くなってる人もそれから塗らなくなった人もいますけど、私らみたいに成人型アトピーになって一生塗り続けなきゃいけないというということを認めさせるように活動をしてますし、アトピ―が大人になったら治るというの話はステロイドがまだ出来てない頃の話で、ステロイドが使用されるようになってから成人型アトピーというのは出来てきたように思えます。その矛盾…ステロイドを塗って大人になったら治る、というのはおかしいです。大学病院とか特に製薬会社との関係も先ほど言いましたけどあるので、脱ステの治療法を学んでないのでわからない。
実際はこうやって講演会を無料でして、病院経営は成り立ちませんよね?薬出さないですから。でも患者の為に何が一番治す方法なのか(その病院は)、わかっているから先生を雇っています。今、受け持っている患者数は22人ですか?この前は26人ですか?その人数の患者さんの対応を一人でやっておられらます。大学病院並みの忙しさです。大学病院は何十人という皮膚科の先生、研修医を含めておりますが、先生は一人で駆けずり回ってやっておりますが、もしこれがアトピービジネスなら帰りそこれへんで何かを売るんでしょうけど、まぁ本位しか売るものないのでね。まぁそれを買ってもらったら今日の講演内容も書いてますので、だから儲け主義じゃない所で私らもこうやって治るとうか治らないアトピーを臨床的に考えているので色んな事を学んでそういうことに賛同して活動してます。何の治療を選ぶのかはみなさんの自由です。今日、講演会来たからこの治療をしなさい、と言っているわけでもない。みなさんが一番いいと思う治療を選択すればいい。ただ、逆に標準治療をしているところに行ってステロイドを使いたくないと言ったら怒られるのはナンセンスだと言いたい。標準治療を認めるけど、こちらも認めていただきたい。