こんにちは。atopic共同代表の伊藤愛子です。
7年間atopicで活動をしていく中で、一向に広まらないこの病気の現状を広く伝えたいと思い、私がこの病気になった理由や取り巻く背景などを書いていこうと思います。

私はもともとアトピー性皮膚炎患者でしたが、今はステロイドの後遺症に苦しむ「ステロイド・保湿依存性皮膚病」という病気の患者です。
現在、この病名は一般的には広まっていません。

実は私も8年前までは、この病気に自分が陥っていることを知らずにいました。
なぜ?私たちのような病気をもつ患者がいることが、世間に対してあまり広く知られていないのでしょうか。

その理由としては次のことが考えられます。

1)日本皮膚科学会作成「ガイドライン」の影響
皮膚科医は日本皮膚科学会作成の「ガイドライン」に従ってアトピー性皮膚炎の治療を行います。
このガイドラインでは、アトピー性皮膚炎の治療法は「ステロイド」やそれに準じるプロトピックやネオーラルを使用するとしています。
しかし、それらの薬を使うことによって「難治性アトピー性皮膚炎」=ステロイド・保湿依存症皮膚症という状態になっている患者がいることを日本皮膚科学会の医師達は認めていません。
皆さんの中にも、皮膚科医が治りにくいアトピー性皮膚炎の患者に対して「ステロイドのコントロールがうまくいっていないから」とか「相性のよい医者に出会っていないから」というのを聞いたことがありませんか?
そういった言葉で私たちは片づけられているのです。
「ステロイド・保湿依存症皮膚症」という病気の存在を「医師が認めていない」ということが、私たちの病気が世間に認められていない大きな理由です。

2)マスコミへの影響
上記のような背景があるため、マスコミで私たちの病気が取り上げられることは一切ありません。
皮膚科学会のルールが上記のようになっているわけですから、それに反することをマスコミが取り上げるはずもありません。日本の縦社会の構造が影響し、私たちの病気が広く知られずにいます。

その一方で、海外では私たちと同じような状態に陥った患者たちが「声」をあげるためにボランティア団体をたちあげたりと、この一二年で「大きな流れ」が動き始めています。
アメリカ在住のケリーパレスさんという女性が創設者となってはじめた「ITSAN」という団体がその一つです。
ITSAN」はフォーラムを運営し、そこで患者が悩みや解決方法などを探っていますが驚くことにアメリカはもちろんアジア、オセアニア、ヨーロッパ地域全土から患者が参加しています。
その活動の成果が今年ようやく花を咲かそうとしています。
CSDという皮膚疾患患者をサポートする団体の連合体のAnnualMeeting(会議)にて、ケリーパレスさんが招かれ話をしたそうです。(→詳細は、深谷元継医師のブログで)アメリカの皮膚科学会(AAD)がそれをどう対処するのかが見ものです。
というのも、アメリカの皮膚科学会のガイドラインが変われば世界の皮膚科学会のガイドラインも変わる可能性を秘めているのです。

私はこのブログで私がなぜこの病気になったのかをお話ししながら、多くのアトピー性皮膚炎で悩む患者の皆さんが適切な「医療」を受けられる社会になることを願っています。
ステロイドの是非についてお話したいわけではありませんので、それに関する議論や誹謗中傷などは一切お受けできませんのでご了承ください。

Aiko ITO atopic共同代表