ステロイド混入被害拡大 朝日24_8_8朝刊 (800x671)
2014
88日朝日新聞・第二神奈川版朝刊における「山口医院ステロイド混入被害拡大_背景に皮膚科医不信」という記事のなかで、atopicの署名活動とスタッフの伊藤愛子と遠藤円香(アトピーっ子育児の会代表兼任)のコメントが掲載されました。

●多くの皆さまの「お蔭」でなりたった取材
この取材は、以前から山口医院の事件を追いかけてきた記者の方が、44日に開催された山口医院の患者に対する説明会において、遠藤円香と弁護士のK氏をはじめ、有志の皆さまがatopicの「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン改訂のための署名運動」を熱心に行っているのを見て「いつか記事にとりあげたい」と思い、取材を申し込んでくださったのがはじまりでした。当日ご協力いただいた皆さまには、深くお礼を申し上げます。
ありがとうございました。


●今までにない第一歩
取材当日、私と遠藤さんは脱ステロイド治療を行った患者の母親として、また脱ステロイド治療を行った成人患者の一人として、記者の方に出来る限りの情報を出しました。記者の方は大変熱心に話を聞いてくださいました。今回取り上げられた情報はその一部です。
しかし、発言の一字一句がそのまま取り上げられたわけではありませんので、そのことはここに明記しておきます。
とはいえ、
これまでマスコミの取材対象になることは「皆無」であった標準治療ではない「脱ステロイド治療・脱保湿治療」のことや、アトピー患者が直面している混迷する「治療法」とその背景について、患者やその家族が抱える「深い悩みと葛藤」について写真や資料を提示しながら私たちなりにお話ができたことは、今までにない第一歩だと思います。

取材をしてくださった記者の方には、今後も継続してこの問題について取材を続けていただきたいと思います。取り上げにくい記事をこうして世の中にだしてくださったことに深くお礼を申し上げます。
そして、山口医院の被害に遭われた方とそのご家族の状況がより改善されることを願っています。

914日「第28回アトピー性皮膚炎講演会in東京」開催
昨年から一年間続けてきた「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン改訂のための署名運動」も今年の9月で一旦の区切りをつけます。多くの方のご協力を得てこんなにも多くの署名を集めることができましたことに対し深く感謝申し上げます。既に第1弾は提出し、第2弾を9月中に提出する予定で、今現在1万以上の提出を見込んでおります。
そして、914日には江戸川区総合文化センター(新小岩)にて、第28回の講演会を開催いたします。

http://atopic.info/blog/event/lecture/2014/08/2343

私たちの活動や治療法についてお知りになりたい方、先生方やスタッフと直接お話ししたい方は是非ご参加いただければ嬉しいです。「一人ぼっち」で悩まないで、私たちと一緒に改善方法を模索してゆきましょう。

(テキストデータ)

ステロイド混入被害拡大
背景に皮膚科医不信

山口医院の被害者の一人、森立弁護士(38)=東京都江戸川区=は全身の炎症で救急搬送の経験もあるほどアトピーに悩みステロイドに頼ってきた。しかし副作用を心配して「脱ステロイド治療」を決意。6年前、山口医院の漢方クリームにたどり着いた。
ステロイド外用薬は炎症を抑える効果が強い半面、使用方法や継続使用によって皮膚が萎縮して薄くなるなどの副作用がある。
森さんも「ステロイドなし」との説明を信じて使った。少量でもてきめんに効いていたが、ステロイドが入っていたことを知り、怒りが募った。「重度の人ほどステロイドを使い続ける恐怖から『脱ステ』に走る。わらにもすがる思いを利用されたのが許せない」

ステロイドは1990年代、副作用への懸念が高まり、科学的根拠に乏しい特殊療法や高価な健康食品を勧める「アトピービジネス」が社会問題化した。
問題を受け、00年、日本皮膚科学会は「適切な治療をせず重症化する患者が増えている」として、ステロイド外用薬の使用を治療の主体とするガイドラインを定めた。

日本臨床皮膚科医会の常任理事で、県皮膚科医会副会長の浅井俊弥医師(55)は「症例研究を重ね、ステロイドの安全性は世界的にも共有されてきた。適切に使うことで、ほとんどの患者さんには効果があり、今後もアトピー治療の中心的役割を果たしていくでしょう」と説明する。

一方、一部の患者には、ステロイドを使わない治療を望む声も根強い。

患者団体「atopic」は722日、日本皮膚科学会に「ステロイドでアトピーが治らない場合は、使わない治療も選択肢の一つであるとガイドラインに取り入れてほしい」との9千人分の署名を提出した。

共同代表の会社員、伊藤愛子さん(39)=千葉県野田市=は「他の病気は治療が選択できるのに、アトピーはステロイドを拒否するだけで医者に『来ないでくれ』と言われる。柔軟性を持たせてほしい」と訴える。流れ作業のようにステロイドを塗られる治療に不信が募り、9年前にステロイドの使用をやめた。

メンバーの会社員、遠藤円香さん(31)=横浜市都筑区=は長女(6)が患者。複数の皮膚科医を受診したが、使うステロイドも治療もバラバラだった。「ガイドラインが変わることで医療現場の考え方も変わり、社会の認知も変わって欲しい」と話す。

「悪者はやっぱりステロイドなんだろうか。君を診察してきた皮膚科医にも責任があると先生は思う」

竹田綜合病院(福島県会津若松市)の皮膚科部長、岸本和裕医師(43)は、著書「アトピー卒業ブック」(健康ジャーナル社)でステロイド不信の原因として「皮膚科医の力不足」を指摘している。

同院を受診したアトピー患者95人にとったアンケートで、同院に来る前に受診した医師への不満について尋ねると「説明が少ない=36%」「皮膚の症状をじっくりと見てくれない=31%」「信頼できない=20%」「肌を触ってくれない=19%」など。同院で「初めて薬の塗り方を教えてもらった」と喜ぶ患者もいるという。

岸本医師は「患者さんは最初にかかった皮膚科で裏切られ、医師やステロイド拒否に走ってしまっています」と話す。副作用のあるステロイドを大工道具にたとえ、「有用だが使い方次第ではけがもする。道具が悪いのではなく、使いこなせない医師が多すぎる。レベルの向上が必要だ」と指摘する。