脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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安藤様の著書

2008年11月19日 | Posted by 佐藤 健二 in 本・雑誌 - (0 Comments)

何人かの方にはこの本に出ているアンケートにご協力いただきました。調査結果を含めて自分の経過を書かれておられます。大変参考になると思います。一度お読みになられたらと思います。
「アトピー性皮膚炎患者1000人の証言」
安藤直子著
子どもの未来社 1600円

日本皮膚科学会系のアトピー性皮膚炎に関する講演会です。アトピー性皮膚炎と、ステロイドの使い方とおそらく、免疫抑制剤ネオーラルでのアトピーの治療などが話されると思います。それに関する新聞記事の紹介と、簡単なコメントです。
 10月25日の毎日新聞に縦10cm横11cmの大きさの宣伝記事が出ていました。これで2回目です。定員500人ですが、まだ埋まっていないのでしょう。
「皮膚の日」講演会
日時:11月12日(水)13:30−16:00
会場:大阪市北区梅田3、毎日新聞ビル地下1階オーバルホール
申し込み:葉書に住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、〒530-8251 毎日新聞社総合事業局「皮膚の日」係(06-6346-8377)へ。定員500人。聴講券を郵送。参加無料。
主催:大阪皮膚科医会、日本臨床皮膚科医会近畿支部
共催:毎日新聞社
後援:厚生労働省、日本医師会、日本皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会、大阪府・府医師会、毎日放送、スポーツニッポン新聞社、NHK
というすごい顔ぶれです。
 講演内容は
堀尾武氏:元関西医大皮膚科教授「アトピー性皮膚炎のウソとホント」理解し克服するために正しい知識
古川福実氏:和歌山県立医大皮膚科教授「ステロイド外用剤のウソとホント」よりよい治療を受けるために
です。堀尾氏は光皮膚科・光皮膚免疫学がご専門、古川氏は膠原病がご専門のようです。
おそらく、全国規模でこの話が行われるのでしょう。九州でも同じような内容で、東京逓信病院皮膚科部長、江藤先生が話されます。これまで「脱ステロイド騒動は終息した」と日本皮膚科学会は言っていましたのにね。「アトピー治療革命」藤澤・安保両氏著、「二人三脚で治すアトピー」玉置氏著、「患者に学んだアトピー治療、脱ステロイド・脱保湿療法」佐藤氏著、「薬のチェックは命のチェック、特集アトピー性皮膚炎」医薬ビジランスセンターの本が立て続けに出たためでしょう。この動きは、侮れない動きと日本皮膚科学会は見ているのでしょう。
話される内容は、ステロイドは問題ない、プロトピックはステロイドの代用として有用、新たに免疫抑制剤(ネオーラル:シクロスポリンの吸収の良いもの)がアトピーに使えるようになるので、更にアトピー治療は発展しましたよ、というようなものでしょう。しかし、ステロイドでよくならないアトピー性皮膚炎患者がいることは誰も否定できませんし、これが脱ステロイド脱保湿でよくなっていくことも否定できません。この学会側の宣伝の間違いを正す必要があると思います。全国規模で、色々なメディアで11月12日の「皮膚の日」講演会の内容の間違いを指摘する必要があるでしょう。口コミ、自分のホームページ、mixi、その他何ででも。脱ステロイド・脱プロトピック・脱保湿でよくなった患者の声を多くメディアに載せ、学会に分かっていただきましょう。そのためにも、何が話されるか、じっくり聞いていただきたいですね。私は仕事で聞きにいけません。
2001年に金沢大学医学部皮膚科教授が日経メディカルに書かかれたものがあります(Nikkei Medical 2001年9月号 p 113-5)。ステロイド外用剤の副作用に対する誤解についてです。その主張とそれに対するゾウケツのコメントを載せます。
1 中止によりリバウンド現象が起こる
   「不適切な時期に治療を中断したために起こったアトピー性皮膚炎の急性増悪である」(教授)
(ステロイドからの離脱現象とアトピー性皮膚炎の増悪は別物。脱ステロイド後、本来のアトピー性皮膚炎が出現します)(ゾウケツ)
2 副腎の萎縮が起こる
   「通常使用量(1日10g以下)では副腎の萎縮は起きない(教授)
(これはほぼ正しい。しかし、皮膚だけでステロイド不足が起こり、結果として強い離脱症状が出ます)(ゾウケツ)
3 全身的副作用が生じる
   「ステロイド内服薬では出現するが外用薬の通常使用では経皮吸収は微量であり起こりえない」(教授)
(副腎不全による全身的副作用しか考えておられない。抗利尿ホルモンの分泌異常、生理不順、発汗異常、乳汁分泌異常などが現れています)(ゾウケツ)
4 ステロイド外用薬に対する治療抵抗性の獲得
   「症状に適した強さのものが使用されていないなどの増悪時の錯覚である」(教授)
(多くの患者がどんどん強いステロイドを使用していかなければ症状が治まらなくならなくなっている事を自覚しています。多くの医師も認めています)(ゾウケツ)
5 ステロイド依存症が生じる
   「インスリン治療中の糖尿病患者をインスリン依存症と表現するのか」(教授)
(膠原病患者さんがステロイドの内服により症状が抑えられても、内服を中止すると膠原病は悪くならずに副腎不全が起こることがあります。病状が治まっても中止できないことがあるのは依存症ではないのでしょうか。)(ゾウケツ)
6 ステロイド外用薬には催奇形性がある
   「ステロイド経口薬においてもほぼ否定されている」(教授)
(ほぼ正しい。「も」と本当に言えるかどうかは疑問。なぜなら、妊娠中の抗利尿ホルモン、レニン、アルドステロンなどの異常の胎児への作用は不明です。)(ゾウケツ)
7 ステロイド外用薬による色素沈着
   「炎症後の色素沈着がステロイド外用薬の副作用と誤解されている」(教授)
(多くは炎症後の色素沈着でしょう。しかし、チリメン皺状の色素沈着の原因としてステロイドの副作用の可能性は残っています。)(ゾウケツ)
#ネオーラルが新たにアトピー性皮膚炎の治療に使用可能となりました。近々大宣伝が起こるでしょう。これについての簡単なコメント。
 ネオーラルは免疫抑制剤シクロスポリンの吸収が良くなった製剤です。成人型アトピー性皮膚炎との関連については、「患者に学んだアトピー治療、脱ステロイド・脱保湿療法」(佐藤著)に、保湿依存症に対しては効果の無いことが記されています。繰り返されてますが、以下にあります。
第1章 成人型アトピー性皮膚炎 3.プロトピックでステロイド離脱は可能か? (1)脱保湿で免疫抑制剤離脱が可能となった例 p.25-26
第3章 脱保湿 7.脱保湿の方法 (6)重症保湿依存症は免疫抑制剤では解決できない p.61