脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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 9月19日の東京講演会は大盛況で、私の予想をはるかに超える230名以上の参加者がありました。始まる1時間前から入口には長蛇の列でした。そして、全員が座りきれず、立ち見が出てしまいました。あまりに多かったのと、クーラーの効きが悪く、大変暑かったです。皆様の熱気が会場を余計に暑くしたようです。申し訳ないと思いながらもどうすることもできませんでした。
 いくつかの患者団体が広報をお手伝いくださると共に、あとぴっくの努力で、東京新聞と毎日新聞にまで講演会開催の記事が載りました。アンケートを見ていないので結果は分かりませんが、今回初めて街頭ビラまきによる講演会の宣伝をしていただきました。広報のご努力をされた方に心からお礼申し上げます。また、当日の色々な仕事を藤澤先生の関係の方などが巧みに準備くださり、会場が引きしまった感がありました。ありがとうございます。今回は大きな会になるとの予想で京都などからも手伝いに来て下さり大変助かりました。
 今回の講演内容は5人の方々に行っていただきました(自分が入っているのに変な表現ですが)。内容は既にアトピックのホームページなどにでていますが、広い範囲の内容でした。また、アトピーフリーコムなどの患者さんの体験談も参加された方の心を打つもので、大変良かったと思います。今後もこのような内容の濃い講演会にしていけたらと思います。既にmixi、掲示板などに感想が出ております。良い印象を持っていただいたことが分かります。ぜひご覧ください。
 今回は、関東から皮膚科医の方が一名、愛知県から内科医の方が一名参加してくださいました。医師の間にも少しずつ脱ステロイド・脱プロトピック・脱保湿が拡がり始めていることを示すものと嬉しく感じました。
 今回のお世話は、あとぴっく関東の3名の方がそのほとんどの仕事をしてくださり、その他の人の仕事が相当減りました。お三人様、本当にありがとうございました、そしてお疲れさまでした。感謝いたします。
 まずは、至急のご報告とお礼とさせていただきます。

皆様
「ステロイドにNo!を 赤ちゃん・子どものアトピー治療」(子どもの未来社、佐藤健二・佐藤美津子著、2010年9月、1500円税別)のオンライン販売が始まりました。お知らせいたします。アマゾンなどでレビューを書いていただければ幸いです。
版元ドットコム

http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-86412-008-1.html

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アトピー性皮膚炎から見た現行「食物アレルギー」論批判
阪南中央病院 皮膚科 佐藤健二
 厚生労働科学研究班(主任研究者:海老澤 元宏氏)による「食物アレルギーの診療の手引き2008」(http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/05/05.pdf)の批判を中心として記述。
1.検討委員会メンバーから起こる問題点
 横浜市立大学医学部皮膚科教授 池澤 善郎氏は、アトピー性皮膚炎はIgEアレルギーで起こっていると考えているまじめな医師であるが、間違った考えの持ち主である。
 九州大学医学部皮膚科教授 古江 増隆氏は、この診療の手引きを作成後、ある会で「IgEアレルギーの症状として湿疹を入れることに抵抗したが、妥協の産物として入れざるを得なかった」旨の発言をしており、アレルギーであるかどうかの判断基準とアレルギー症状の発現率についてこの手引きが正確さを持ち合わせていないことを示す重要な発言をしている。学問内容では妥協はすべきでなかった。
2.アレルギー総論の間違い
 食物アレルギー総論で食物アレルギーの定義を「原因食物を摂取した後に免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状(皮膚、粘膜、消化器、呼吸器、アナフィラキシーなど)が惹起される現象」とし、食中毒、毒性食物による反応、食物不耐症(仮性アレルゲン、酵素異常症など)は含まないとしている。
#臨床型分類
 新生児消化器症状、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎、即時型症状(じんましん、アナフィラキシーなど)、そして特殊型として食物依存性運動誘発アナフィラキシーと口腔アレルギー症候群が挙げられている。
 「新生児消化器症状」の起こる機序として「主にIgE非依存型」とある。では何アレルギーなのか。どのような免疫学的機序なのかはその後何処を見ても記述がない。
 「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」(発症年齢は乳児期)の発生機序は「主にIgE依存型」とある。そして注に「慢性の下痢などの消化器症状、低蛋白血症を合併する例もある。全ての乳児アトピー性皮膚炎に食物が関与しているわけではない」と追加されている。この注の「全ての———が関与しているわけではない」の表現は厳密には0%<関与率<100%であろうが、日本語のニュアンスとすれば「ほとんど」あるいは「かなりの率の」乳児アトピー性皮膚炎に食物が関与していると受け取られるのが普通である。となると、この表からは「乳児期のアトピー性皮膚炎のほとんどは食物アレルギーが関与している」と受け取られる。これでは一般の医師は、アレルギー原因物質の除去に必死になるのは当然であり、患者も必死になって除去食を食べるようにならざるをえない。臨床の場での患者の困惑状況を考えると、古江氏はけっして妥協すべきではなかった。食物アレルギーは即時型症状であり、即時型反応は症状が強いため直ぐに何が原因か分かって食べなくなるため、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーで悪化することはほとんどない。だから、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎に関与しないのである。関与していると考える間違いは症状に湿疹を入れたことから発生する。食物とアトピー性皮膚炎の悪化が関係しているという間違った関連を多く作りだしているし、湿疹が食物アレルギーと思わせる間違いを起こしている。
 臨床型分類から「新生児消化器症状」の項と「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」の項と後者に関連する注は削除されなければならない。
#食物アレルギーにより引き起こされる症状
 皮膚粘膜症状の中に「瘙痒感、じんましん、血管運動性浮腫、発赤、湿疹」とある。IgE依存型の皮疹であるならば「瘙痒感、じんましん、血管運動性浮腫、発赤」は正しい。しかし、「湿疹」は間違いである。問題の臨床的重要性から判断すれば「瘙痒感」「発赤」は省くべきで「じんましん、血管運動性浮腫」だけにすべきである。少なくとも「湿疹」削除されなければならない。
#食物アレルギーの疫学
 ここでの有病率は「湿疹」の患者を除外して計算する必要がある。もし除外するならば、有病率はワンオーダー(1/10)からツーオーダー(1/100)ほど下がる可能性がある。
#その他の重要事項
 この中の第1項目目の記述は、アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの間違いに起因する重要な間違いである。次のように記されている。「乳児の食物アレルギーの多くはアトピー性皮膚炎を合併している。アトピー性皮膚炎治療ガイドラインに即したスキンケアや薬物療法を先に行っても症状が改善しない場合に食物アレルギーの関与の有無を検討する。」
 ガイドラインに即した治療で症状が改善しない原因のほとんどは、ステロイド外用による副作用であるステロイド依存性皮膚症である。ステロイド依存性皮膚症の治療を先に行うべきであるのに食物アレルギーを探すのは全くの間違いである。正しく解釈された食物アレルギーはごく稀である。
 従って、この項目は削除されなければならない。
3.食物アレルギーの診断
 2.で述べた理由から「一般血液検査」の「1)食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎の経過中に末梢血好酸球数の増加、鉄欠乏性貧血、肝機能障害、低蛋白血症、電解質異常がみられることがあるので必要に応じて一般検査を行う。」は削除すべきである。これらの症状は食事アレルギー説によるアトピー性皮膚炎の治療上の誤りから、また、食事摂取方法の間違いからくることがほとんどである。ステロイドを使わない正しいアトピー性皮膚炎の治療と食事指導が必要である。
 「血中抗原特異的IgE抗体検査」の「1)血中抗原特異的IgE抗体陽性(=監査されていることを示す検査所見)と食物アレルギー症状が出現することとは必ずしも一致しないことを念頭に置くべきである」は「1)血中抗原特異的IgE抗体陽性(=監査されていることを示す検査所見)と食物アレルギー症状とは相関しないので、確実な即時型反応が臨床的に確認できる場合を除いてこの検査はすべきでない。」と変えられなければならない。また、確実な事が言えないのであるから、3)と4)及びプロバビリティカーブについても削除しなければならない。
 「皮膚テスト」についても食物アレルギーと皮膚テストとは相関しないため実施する必要はない。「4)皮内テストはショックの危険性や偽陽性率が高く、診断のためには通常行わない。」のみを残すべきである。
 「ヒスタミン遊離試験」の項目は不必要であり、削除する。
 「食物除去試験」は即時型反応を示す食物が臨床的に確実な場合は不必要であるし、不確実な場合は混乱するだけであり行うべきではない。
 「食物負荷試験」については、「2)食物負荷試験は、原因抗原診断のためと耐性獲得の判断のための2通りの目的で行う。」とあるが、次に述べる項目の理由で「原因抗原診断のためと」と「のための2通り」を削除し「2)食物負荷試験は、耐性獲得の判断の目的で行う。」にすべきである。「負荷試験の適応とすべきでない症例」の説明中、「血中抗原特異的IgE抗体高値で」は削除すべきで「直近のアナフィラキシー症例や明らかなエピソードのある例」とすべきである。抗体低値でも激しい反応の出る症例はあるからである。「3)負荷試験の種類」で普通にできる①オープン法と②シングルブラインド法は「出現症状が主観症状だけであった場合は、判断が確定的でない」と言わざるを得ないような不確かなものである。判断基準を蕁麻疹とアナフィラキシーのみに絞って行わないからこういう結果になるのである。乳児が離乳食や粉ミルクを始める場合は、蕁麻疹やアナフィラキシーが出るかどうかだけを判断基準として一品一品食物を増やしていけばいい。これが実際の負荷試験である。この場合に即時型反応が出る確率は極めて低いので親は心配しないことである。
4.食物アレルギー診断のフローチャート(食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎)
 既に述べた理由から、根本的に書き変える必要がある。細かく記述する値打はない。
5.食物アレルギー診断のフローチャート(即時型症状)
 「明らかに重篤なアナフィラキシーが疑われる」が「はい」以降はその通りで良い。しかし、「明らかに重篤なアナフィラキシーが疑われる」が「いいえ」の場合はに検査をすることは論理矛盾である。疑っていないのになぜ検査をする必要があるか。問診のやり直しが必要なだけである。改定が必要である。
6.食物アレルギーの治療・予防
 このテーマには問題なしである。このなかで、「ハイリスク児に対する一次予防」のなかで、「妊娠中・授乳中にアレルギー性疾患発症予防のために食物制限を行うことは十分な根拠がないために通常進められていない。」との記述は重要である。なお、「一次予防」とは「食物抗原に対するIgE抗体が作られることを予防すること」である。
7.アナフィラキシーへの対応、8.食物アレルギーと栄養、9.食物アレルギーの社会的対応、10.参考資料1-3は問題なしである。
この手引きには仮性アレルゲンについての十分な配慮がされていない懸念があるので以下に参考のために付しておく。
{仮性アレルゲン・アレルギー誘発食品

http://www.hajime-net.jp/Dr-Kakuta/allergy_seikatu/04/kasei-allerugen.html

 食物に天然に含まれる化学物質、環境汚染によって蓄積・残留してしまった化学物質などのために、通常のアレルギー反応の経路を通らずに、アレルギー症状が起こったり、もともとあったアレルギー症状を悪化させてしまうことがあります。その食物に対するアレルギー反応ではありません。
 アレルギー体質が強く、アレルギー反応が過剰に起こりやすい体質がある場合には、状況が変わってきます。アレルギー体質があっても、体調がいい時は注意しながら食べることは可能な場合もあります。しかし、体調の悪い時やアレルギー症状を起こしている時、年齢が小さな子どもでは、アレルギー症状を増強させてしまう可能性があります。敏感な人では少しでも激しい症状を起こすことがあります。体調不良時やアレルギー症状がある時は多量摂取を避ける必要があります。
 特に、ソバ、ヤマイモ、キウイ、チョコレート、チーズ、ピーナッツ、タケノコ、ナス、トマト、メロンはアレルギーを悪化させる頻度が高いので注意が必要です。野菜や果物に含まれる化学物質は、熱を加えて調理すると反応や症状が軽くなる場合があります。また、これらは生の状態では食品そのもののアレルギーも起こしやすい食品です。}