脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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脱ステロイド中の被災アトピー患者さんなどへ

3月 23rd, 2011 | Posted by 佐藤 健二 in その他

脱ステロイド中の被災アトピー患者さんなどへ

2011年3月23日 阪南中央病院 皮膚科 佐藤健二

東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、この震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

mixi「脱ステロイドしました」コミュニティー管理人「すぱのり」様から、「被災されているかもしれない、または直接被害が無いけれど脱ステ継続に支障をきたしている方々に向けて、何かアドバイスなど」はないでしょうかとのご連絡をいただきました。私は関西在住のため何不自由なく生活しておりますので気付きませんでした。ただ、ステロイドなどで治療をされておられる方にステロイドなどが届かないことになれば大変だな、という話は高知講演会参加者で話し合っておりました。

遅ればせながら、脱ステロイドをされておられる方に対してお伝えすれば少しでも気持ちが楽になっていただけるかなと思うことをいくつか書いてみました。参考にしていただければ幸いです。

1.日本だけでなく、世界の人々が皆様の支援に立ち上がり始めていますので、どうぞお気持ちを強く持たれて、精神的に落ち込まれないようにしてください。

2.水や食料の不足している方がおられると思います。脱ステロイドをするときは、水分は適度に制限(軽く口渇を感じる程度)する方が楽に生活できます。また、断食療法で食事をあまり摂らないでも皮疹は良くなる場合があります。だから、水分や食物が不足していてもあまり焦らない方がいいと思います。水や食物が本当になくて大変困っておられる場合もあるでしょう。その場合はインターネットなど何らかの方法で連絡をとり、支援を受けられるようにして下さい。

3.入浴もままならない場合も多いと思いますが、脱風呂療法で良くなられる方もおられます。また、風呂にしばらく入らなくても簡単に皮膚の感染症にかかるわけではありません。今しばらく、入浴無しの脱風呂療法を試してみてください。

4.東北地方はまだ冬の気温です。霜焼けや凍傷などは皮膚に良くありません。可能な限りこのような状態にならないようにお気を付け下さい。寒い季節は、反面、痒みが起こりにくくなります。だから、寒さ対策をしつつも、適度な涼しさを維持される方が痒みには良いと思います。

5.服や下着も不足していると聞きます。子どもさんの脱ステロイドをする場合、下着は2-3日連続して着ていただくことをお勧めしています。皮脂が取れないようにする対策です。着替えが少ないことは辛いことだと思いますが、皮膚表面の脂があまり取り去られないようにすると痒みがましになる、と考えて我慢してください。

 

ステロイドなどで治療を行っておられるアトピー患者さんへも一言

1.手持ちのステロイドやプロトピックが少なければ最も重症の部分のみに外用し、薬が届くまで頑張ってください。

2.どうしても薬が手に入らずどうしようもなく悪化されておられる方は何とかインターネットなどで連絡を取って薬を得るようにして下さい。

3.薬が届かず脱ステロイド状態になってしまわれた方は、一週間後頃が一番しんどい状態になりますが、それを過ぎると少しずつ良くなり始めます。焦らずに支援物質の到着をお待ち下さい。

 

皆様ができるだけ早く良くなられることを祈っています。

 

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