脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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ステロイドで皮膚バリア機能が低下する

8月 3rd, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in 医学論文

アトピー性皮膚炎にリンデロンを塗ると皮膚バリア機能が低下する、という内容の論文が出ています。

Danby SG et al
Br J Dermatol 2014; 170: 914-21
The effect of tacrolimus compared with betamethasone valerate on the skin barrir in volunteers with quiescent atopic dermatitis

【結果の簡単な説明】
6ヶ月間症状の出ていないアトピー性皮膚炎の皮膚に吉草酸ベタメタゾン(リンデロンのこと)を4週間外用したら、皮膚のバリア機能が低下した。タクロリムス(プロトピックのこと)ではバリア機能が改善していた。

【佐藤のコメント】
標準治療を行う医師は、「アトピー性皮膚炎患者にステロイドを塗らないと、皮膚バリア機能が低下してアレルギーマーチが進む」、としばしば患者さんに説明する。しかし、ステロイドを塗ったらバリア機能が低下するならステロイドを塗ってもバリア機能の低下が進むことになり、前述の説明はできなくなる。
 プロトピックについては、皮膚バリア機構の問題よりもっと大きな問題があるので、この結果から安全だから使いなさいと言うわけには行かない。

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コメント(2)

  • とみー

    はじめまして、娘7歳がアトピーで脱ステ、脱保湿を始め一週間が経ちました。
    娘の病院ではリンデロンVGと太乙膏と紫雲膏を重ねぬりする方法でした。
    リンデロンは3から5日でそれ以上は塗らないことが原則、重ねぬりすることで副作用はないといわれ続けて参りましたが毎日薬を塗るのに親子共々疲れ果てました。
    また7大アレルゲンも数値は振り切りIGEも関係ないとはいうものの15000。
    医者からはやはり皮膚の状態が良くないと負荷試験もお勧め出来ない、症状が出やすいと言われステロイドを勧められる始末。ほとほと疲れていたのですが
    掻かせてもいい、塗らなくていいで薬から解放され痒みもあり足首はパックリで痛みもある娘ですが気持ちが凄く元気です、そして何より食欲が凄いのです。これも脱ステ、脱保湿の影響でしょうか?
    是非静岡でも講演していただけないでしょうか…>_<…

    • 佐藤 健二

      とみーさま

      大変遅くなって申し訳ございません。あまりの忙しさで、ご返事について失念しておりました。お許しください。

      脱ステ・脱保湿を行っておられるとのこと、がんばっていただけたらと思います。

      ご質問の、脱ステ・脱保湿中に食欲が増加するかどうかですが、脱ステ・脱保湿で体調が良くなれば食欲が増加することはあると思います。それ以上の考えは出てきません。ただ、食欲が増加することは皮膚もよくなってきていることを示すと思います。滲出液や痂皮が多くできるときはたくさん食べることが必要です。超えすぎは良くないですが、身長とともに体重が増えるのは問題ないと思います。

      静岡での講演会ですが、2011年1月29日に行っております。日本全国で行う予定にしておりますので、2度目の講演会は当分静岡では行わないと思います。ただ、近隣の県で行っていないところとして、長野県や山梨県はありますので、そのような機会ができましたら、ご参加いただければありがたいです。

      本当に長い間ご返事をせずに申し訳ございません。以後気をつけます。

      佐藤健二



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