脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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FTU(finger tip unit)

8月 12th, 2018 | Posted by 佐藤 健二 in その他

<FTU(finger tip unit)について>
ステロイド外用剤塗布の基準としてFTU法が勧められている。大人の人差し指の末節の長さにチューブから出した軟膏(0.5g)を両手の平程度の面積に塗るというものです。両手の平は体表面積全体の50分の1にあたるので、全身に1回塗るとすると50×0.5g=25g必要になる。この量が多いかどうかを九州大学皮膚科古江先生の論文(Br J Dermatol.2003)に記載されている量と比較してみた。論文では、研究した6ヶ月にどれだけの量が外用されているかが推定できるようになっている。その中で最も多く外用していた人は、おそらく紅皮症状態で、全身に外用していたと考えられるが6ヶ月で500gと推定できた。
FUT法に従って全身に6ヶ月間(180日)1日1回外用するとその量は、25g×180日=4750gである。4750g/500g=9.5、すなわちこれまでより概ね10倍の量を外用せよというのがFTU法が言っていることである。重症の最低面積は体表の30%であるので、この場合でも約3倍量を塗ることになる。
古江先生が上記論文を投稿したとき、査読者から外用量が少ないから治療成績が悪いのだと言われていたそうである。論文の中では、ステロイドで良くならない症例もあると言っておきながら、翌年にはFTU法を勧める本を書いている。不定見極まりない。
喜んでいるのは誰か、勿論製薬企業である。10倍の販売量が得られるのだから。医師にも少し利益はおちてくるが。この頃から受診時に袋一杯にステロイド軟膏をもらってくる患者が増えている。皮膚科学会はどうなっているのか。

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コメント(1)

  • 栗木安弘

    1FTU、こんなやり方皮膚科医はおかしいと思わないのでしょうか?
    先日の学会でも相変わらずなんでも保湿が推奨されていました。
    皮膚科医は保湿カルト信者となっています。



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