皆様
2019/3/11の日経メディカルに、「患者には選ぶ権利がある、いまこそ再確認を」と題して小板橋律子記者が次の出だしで最近の人工血液透析の中止についてコメントしている。
人工血液透析の中止や非導入を“事件”ととらえた一般紙の報道が続いている。まるで、透析をしない選択肢を提示したことが“悪”であるかのような論調も散見される。その理由は、日本透析学会のガイドラインを逸脱するから、というのが論理展開だ。
逆を考えてみる。医療者がガイドライン通りの治療をしなければ、“悪”として報道されるのであれば、患者の選ぶ権利はどうなってしまうのだろうか。医療者の言いなり、ガイドライン通りの治療を延々と受けなければならなくなる。
その治療を受けなければ、死が待っているとしても、どうしてもその治療は受けたくない。それ以外の治療でなんとか苦痛を取ってほしい。そういう個々の患者の意思を尊重するため、これまで患者側に加え医療者が努力してきたというのに。
「人工血液透析」を「アトピー性皮膚炎の標準治療」、「透析の中止」を「脱ステロイド治療」と置き換えて読むと、アトピー性皮膚炎患者の治療選択の無権利と医師の患者無視の現実と全く同じであることが分かる。
勿論、日経メディカルは資本家側の意思を伝える機関であるので、透析に多額の医療費が使われていて、それを減らしたい意向ははいっているけれども。
一度お考えください。
佐藤健二
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