脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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Author Archives: 佐藤 健二

タクミさんから発信されています。ふるってご参加ください。

atopic忘年会2017in大阪

12月16日(土)17:30スタート。

今年は肉と世界のビール なんばブタ86(バル)にて開催です。https://r.gnavi.co.jp/dvfts4e10000/

大人3500円、小学生は2500円です。

17時30~19:30までは貸し切りです。その後お客様がいれば来られますが、20時までは使えます。

東京の方も最終の新幹線まで余裕で間に合いますよ。どうでしょうか?

もちろん佐藤先生・美津子先生もご参加していただけます。

皆さんのご参加を心よりお待ちしております。

お申込み方法:atopic.info@gmail.com

※メールにて、下記のフォーマットを使用してお送りください。

※表題は必ず「大阪忘年会希望」とご記入ください。

+++++お申込フォーマット+++++

●お名前:           (フリガナ)

※複数名いる場合は、全員のお名前をご記入ください。

●お申込みのきっかけ

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※複数ご選択可能です。

※その他の部分はさしつかえない範囲で教えてください。

急な気温の低下と乾燥やその他の理由でアトピー性皮膚炎が悪化されておられる方が多いと思います。お見舞い申し上げます。もし御希望なら現在阪南中央病院への脱ステロイド入院は、成人男女とも待ち無しで入院できます。一度外来を受診し入院治療につき相談にお越しください。あるいは、近所の医師に相談し、紹介状を書いていただいて阪南中央病院の医療連携課にご連絡ください。入院の日取りなどをご相談させていただきます。

皮膚の「副腎不全」

Posted by 佐藤 健二 in 医学論文 - (1 Comments)

ヒトでは、表皮細胞において視床下部下垂体副腎系のすべての酵素の存在することが分かっている。尋常性乾癬ではこの働きが少し低下しており、そのことが皮疹発生の一つの原因と考えられる。尋常性乾癬に対してステロイド外用が効果のあることはこの事で説明できるという。
表皮の糖質コルチコイド受容体遺伝子を潰した(ノックアウト)ネズミの副腎を除去し、皮膚に炎症を起こす。皮膚だけを取り出しコルチコステロン(人の場合はコルチゾールに当たる)の産生を調べると大量に産生されることが分かった。皮膚に炎症が起こると、皮膚だけで抗炎症ステロイドを産生することができることを示している。この事は人では皮膚に炎症が起こると皮膚だけでコルチゾールを産生することができることを示唆する。
人においてこの皮膚だけでの視床下部下垂体副腎系の酵素系が外用ステロイドによって抑制されるなら、皮膚だけでの「副腎不全」が起こる可能性がある。長期間ステロイド外用しても全身的な視床下部下垂体副腎系の抑制は起こらないが、外用していた皮膚では激しい炎症が生じる。この現象を日本皮膚科学会のガイドラインでは、長期にステロイドを外用していたアトピー性皮膚炎患者がステロイド外用治療を中止すると生じてくる症状をアトピー性皮膚炎の悪化と考えている。しかし、長期にステロイドを使用した患者が共通して訴えることの一つは、治療しているうちにステロイドが効かなくなる、だから医師は仕方なく強いステロイドを使うよう指示する。もう一つは、ステロイドの外用を中止すると激しい症状が出てくるので止めることができない。この訴えの内容を、皮膚だけでの「副腎不全」から起こってくる症状であると考えると非常に納得しやすい。
アトピー性皮膚炎患者の皮膚でもコルチゾール産生は減っているのでステロイド外用の根拠になるとのことであるが、現に行われている長期にわたるステロイド外用が皮膚での視床下部下垂体副腎系の酵素系の働きにどのような影響を与えるかを検討したうえでステロイド外用の有用性を考えてもらいたいものである。

文献
Hannan R et al. Dysfunctional skin-derived glucocorticoid synthesis is a pathogenic mechanism of psoriasis, J Invest Dermatol 2017; 137: 1630-37.
Slominski AT at al. Cutaneous glucocorticoidogenesis and cortisol signaling are defective in psoriasis, J Invest Dermatol 2017; 137: 1609-11

皆様

台風接近で雨も降っているにもかかわらず、会場は大入りでした。準備の素晴らしさだと思います。会場は劇場のようで、舞台にはスクリーンの横にグランドピアノが置かれてありました。水口先生とお母様がピアノの演奏をして下さいました。何と連弾です。途中でもまた最後にはお母さんお一人で演奏してくださいました。お二人とも大変お上手で、フロアから大きな拍手が起こりました。
第一部乳幼児患者編の講演は、佐藤健二が「乳幼児アトピーの8カ条」を始めて紹介、次に佐藤美津子が「赤ちゃん・子どものアトピー治療-自然治癒を妨げない-食べること アトピーにとらわれない子育て」を話しました。次が水口聡子先生で「こんなに違う!ステロイドを塗らなかった赤ちゃんと塗った赤ちゃん」でした。患者体験談では、ステロイドを止めた後で頑張った子どもさんの話や、ご主人が脱ステしていたのでステロイドを使わずに頑張られた子どもさんの話でした。ご両親やご家族の意思統一の重要性を教えていただいたお話でした。質疑応答では、蛋白質摂取の問題についての質問や精神的に落ち込んでおられる子どもさんについての質問でした。
第二部成人患者編は、佐藤健二が「治らないアトピーになぜ脱ステロイド・脱保湿?」、水口先生が「ステロイドによるアトピーの経過・ステロイドの影響は時空を超えて」で大変示唆的なお話でした。体験談は短期でステロイド依存になられてお話と、ステロイドが効きにくくなったという経験を医師に話しても信じてもらえずに、自分で脱ステロイドを始めざるを得なかったお話でした。質疑応答では、保湿をなかなかやめられないことで悩んでおられる話などでした。
非常に悪い条件下での講演会でしたが、多数の方にご参加いただき大成功でした。何人かの友人が応援に来てくださいました。ありがとうございます。
懇親会は場所が狭かったためこじんまりとしたものでしたが、話は弾みました。そして、二次会ではたくさん飲みました。ワイワイと楽しかったです。余り飲み過ぎないように、私について言えば余り食べ過ぎないようにしなければと反省しています。

翌日の東京赤坂での懇親会も非常にたくさんの方々にご参加いただき大変嬉しかったです。来年はアトピックの10周年記念になります。一大イベントをしようかと考えております。お手伝いなど是非皆さんの積極的なご参加をお願いいたします。

佐藤健二

皆様、アトピー性皮膚炎に対する新しい治療薬が期待されていますが、その一つであるデュピルマブについて検討してみました。ご一読ください。

デュピルマブはIL-4受容体αに対する抗体で、IL-4とIL-13の作用伝達を阻害する。この働きのため、アトピー性皮膚炎の湿疹は16週間後に「消える」と「ほとんど消える」になるのが4割近くにもなり、プラセボの約1割に比べて非常に良くなると宣伝されている。治験対象者は18歳以上の大人のアトピー性皮膚炎患者で、治療が旨く行かず症状が中等症あるいは重症のアトピー性皮膚炎患者である。この4割の人は、観察者の全体的な評価(IGA)で「皮疹が消えた」か「皮疹がほとんど消えた」であり、かつ重症度スコア(0から4まであり)2ポイント以上低下していた、という。
しかし、良く調べてみると、治験に入る前にそれまでの影響をなくすために35日間の無治療期間を設けているのであるが、これから治験を始めるという基準日から、4週間以内に免疫抑制剤や光線治療が必要と考えられる患者と1週間以内に外用ステロイドやプロトピックを使用した患者を除外している。このことはそれまでの治療を中止した後に強い症状の出た患者を除外していることになる。だから、対象患者は中等症と重症患者ではあるが、その中の相対的に軽症患者を選んで治験をしたことになる。私の考え方からすれば「それまでの治療を中止した後に強い症状の出た患者」とは、ステロイドやプロトピックからの離脱症状の重い患者である。今までの経験では、このような患者を除いた患者群は保湿もしない場合は早期に改善することが多い。
デュピルマブの治験中は1日2回保湿をしている。治験の途中で悪化すれば、ステロイドやプロトピック等の外用剤の使用は許可されている。治験終了時の16週時点での使用件数は、デュピルマブ群で2割に達しているが、プラセボ群では約5割である。この違いはデュピルマブ群の効果と言えるのであろう。しかし、4割の患者で良好な成績が出たという主張をもう少し詳しく見ていこう。
自覚症状と皮疹でスコア化するEASIテストでは初めの4週間で50%ほどの改善がみられるが、それを過ぎると急速に改善速度が減少し、12週頃からは70%以上改善せずその状態を維持するように見える。この間にプラセボ群では30~35%程の改善を示し、同じく12週を過ぎると改善傾向が止まるように見える。
シュピルマブ治療の観察者の全体的な評価と我々の成績を比較してみよう。我々の6ヵ月ステロイドを使用しない治療成績で、同じように全体評価をしてみると、最重症(4)、重症(3)から軽症(1)あるいは治癒(0)に変化した比率を計算してみると、13歳以上で6ヶ月後の調査ではあるが、最重症は65人中19人(29%)、重症は24人中4人(17%)となり、合計では89人中23人(26%)となっている。デュピルマブ群では、36~38%がIGAスコアが4、3から1あるいは0に改善している。偽薬群では8~10%が同じ改善を示している。私達が行ったステロイドやプロトピックを全く使用しない治療で最重症と重症の中の重症群を除いていない治療成績が、ステロイドやプロトピックの助けを借りながら最重症と重症の中の重症群を除いたデュピルマブの治療成績に少し劣るだけの成績を示しており、半数の治験者においてステロイドとプロトピックの助けを借りながらの偽薬群の治療成績の3倍弱改善している。我々の行っているステロイドやプロトピックを使用しない治療成績は大変優れていると言える。
デュピルマブの長期使用の効果と安全性については今後の検討が必要な段階です。
デュピルマブは生物学的製剤であり、高額になる見通しである。例えば、尋常性乾癬等に使用される生物学的製剤では薬剤費が月に15万円ほどになる。これと同程度の薬価になると考えられているので、患者負担3割は月に5万円ほどになる。この事から、治療の第一選択薬にはならないようであるが、製薬会社の要望で規制は甘くなるであろう。デュピルマブはほとんど中止できない治療のようであるので、いつまでも使い続ける必要がありそうである。税金から医療費として高いお金を製薬企業に回すのではなく、日本皮膚科学会は安いそして確実なステロイドやプロトピックを使わない治療を拡めていくべきであると考える。