脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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Author Archives: 佐藤 健二

7月6日JR大阪駅周辺でビラまき

6月 25th, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in その他 - (0 Comments)

皆様

以下の時間場所でアトピックの署名活動のビラまきを行います。
佐藤美津子、佐藤健二ともに参加します。
皆さん、ぜひご参加ください。そして、日本皮膚科学会や一般の人々に、ステロイドを使わないアトピー性皮膚炎の治療を認めてもらえるように訴えませんか。

日時:7月6日(日) 10時から11時半  (ビラまき)

          13時半から15時 (ビラまき)

11時半から13時半までは昼休憩で、ゆっくりご飯を食べてお茶飲んでと思っています。
ここだけ参加?もOK。

集合場所・時間:9時45分 JR大阪駅中央改札出たところ
ビラまきの場所は3箇所:
 1.旧中央郵便局前  (午後はビルの影があるかも)
 2.阪急百貨店の西  (午前はビルの影があるかも)
 3.JR大阪駅の南側 (ビルの影あり)
服装等:帽子必携、汗拭きタオル、うちわ、メガホン等。

阪南中央病院皮膚科 佐藤健二 2014.6.9

  厚生労働省は、一般急性期病床を日本全体で9万床(現在ある病床数の約四分の一)減らす方針です。これを可能にするために、入院患者さんの在院日数を減らそうとしています(急性期病院では病院全体で平均18日以内)。その方法は、厚生労働省が決めた入院期間を超えての入院では、病院が赤字になるまで入院診療費を極端に下げ、その入院期間を超えて患者さんの入院を継続しにくくする方法です。当院での「アトピー性皮膚炎」患者さんの場合、その決まった日数は21日か24日です(病名によって若干違います)。
  以前に行った当皮膚科での調査によると、「アトピー性皮膚炎」患者さんはその9割の方が80日以内に退院されておられます。一般急性期病棟への20日余りの入院では十分な治療を行えません。そこで別の入院方法を考える必要があります。今回の医療制度の変更には新しい病棟制度の設置があります。急性期を脱しても直ぐに自宅へ復帰できない患者さんを受け入れるための地域包括ケア病棟が新設されました。阪南中央病院も地域包括ケア病棟を作ることにしました。この病棟では最長60日の入院期間があります。この病棟に一般急性期病棟から移る(移動日は、地域包括ケア病棟の空きベッドの有無によって、22日や25日から少しずれることはあります)ことによって、ほとんどのアトピー性皮膚炎患者さんの治療が可能となります。
  このような方法を取るに当たっていくつかの問題点がありますが、この問題点を抱えながらでないと入院治療ができないことを入院患者さんにはご了承いただく必要があります。その一つは、二つの病棟を利用するに当たって、主治医は変わりませんが、決まった入院期間が過ぎると一般急性期病棟から地域包括ケア病棟へ移動していただく必要があります。もう一つの問題は、地域包括ケア病棟移動後は、入院診療費の計算方法がかわり、患者負担が増えることがあります。三つ目は、「アトピー性皮膚炎」患者さんの入院期間は80日余を超えることは困難なことです。日本で数少ない脱ステロイドができる病院を守るために、ご理解とご協力をお願いいたします。なお、医療費については高額医療制度を利用できるように、入院前に手続きをお願いいたします。

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインの改訂要求の署名はどんどん進んでいます。ネット署名をする所は、私がそこを出そうとしても旨く出来ない時があって、私てコンピューターの使い方が下手だな、といつも思います。このようなせいかネットへ自分の名前を出すのを控えておられるのかは分かりませんが、ネット署名はまだ十分集まっているとは言えません。しかし、署名用紙の無い方は是非、ネットでおねがいいたします。
 署名用紙は色々な所で集められておりどんどん集まってきております。この活動に賛同してくださっているある所から、1000人分以上の署名用紙がおくられてきたことがあり、大変ありがたく思っています。
 あと半年ほどでいったん集計する予定になっています。是非多くの所で署名活動に参加していただければと思います。

19回アトピー性皮膚炎治療研究会報告

3月 28th, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in 学会 - (0 Comments)

アトピー性皮膚炎治療研究会 第19回シンポジウム 報告

皆様 遅くなりましたが、ご報告いたします。

 2014年2月2日、アトピー性皮膚炎治療研究会、第19回シンポジウムが広島大学医学部で開かれました。主催者(皮膚科教授、秀 道広先生)の予想と違って、予想の約2倍の出席者がありました。開会前に急遽机と椅子が運び込まれました。それでも立ち見が出るほどです。おそらく、脱ステのポスター演題が3つも出ているので激しい議論が行われるだろうという予想で多くの参加者があったのだと思います。それを裏付けるものは、プログラム・抄録集に「ワークショップでのディスカッション」では「スムーズな運行のためにお一人の発言時間を1回1分以内に限らせていただきます。」と書き、当日、そのことのみを注意書きとして印刷し、参加者全員に配布したことです。

 開会の挨拶をした広島大学皮膚科の秀(ひで)教授は恐る恐る開会の言葉を述べていました。抄録集の「ご挨拶」の内容も抑制的なものです。

 ワークショップ1は金沢大学皮膚科、竹原教授が「アトピー性皮膚炎におけるガイドラインの役割」と題して話されました。2000年に作られたガイドラインは、医師向けというより、当時起こっていたステロイドバッシング対策だと簡単に述べられた後、脱ステの批判と自分が調べたアトピービジネスのことを長く話されました。討論に入って私が「ステロイドを使わずに治療をしてほしいという患者が来ても、ガイドラインが書いていないので行わない、あるいは診療を拒否するというようなことが起こっているが、インフォームドコンセントとの関係で問題ではないか」と言いましたが、誰も反応しませんでした。何を言うかを前もって伝えてあったので、おそらく主催者(この時の司会の秀教授)は「話はさせるがそれに対してできるだけ反応しないでおこう」という戦術で進めようと決めていたようです。
 面白いことに、討論の中で、竹原教授は今のガイドラインに従って私は診療をしていない、と言われてました。特にFTU (finger tip unit)についてはエビデンスもなく良くないと言ってました。
 結局最後に秀教授は、ガイドラインは役割を果たしているとまとめていいですね、と無理やりまとめてしまいました。反論すべきとも思ったのですが、初めからそのような結論を出そうとと決めてかかっていたようなので、今回は何も言わないでおきました。いずれにせよ、一見脱ステ医師の意見なども聞くような柔軟な先生のように見えますが、ステロイドで問題が生じている患者のことを考えようという姿勢は全くない、あるいは表に出したくないという態度は明らかでした。

 特別講演は、東北大学薬学部の平澤教授の「ステロイド薬の作用機序」についてでした。一般的な話から特にステロイドが効かなくなる機構について幾つかの実験データをもとに話されました。ステロイドを使っていると効かなくなるということについては承認せざるを得ない内容でした。皮膚科学会にとっては痛い話です。

 ワークショップ2は大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター(旧羽曳野病院)の片岡先生の「ステロイド外用薬をどう使うか」の話でした。至る所で脱ステでこんなに悪くなっている、ステロイドを塗ったら直ぐこんなに良くなる、ということと、TARCで病勢を追えばすべてうまくいくというお話でした。普通の皮膚科医はステロイドの塗り方を知らない、私は知っていてそれに従ってほしい、というようなことも言われてました。その方法はプロアクティブ療法です。自信たっぷりな雰囲気で話されていたましたが、そのやり方で良くならない人が1年後に40%ありました。討論の中でTARCと病勢が合わない症例のあることが述べられましたが、羽曳野病院でもそのような症例のは存在するといわれてました。「大丈夫かな?」と思ったのは私だけではないような雰囲気でした。

 ランチョンセミナーは、北京大学皮膚科教授の話でした。中国では皮膚科医が少ないこと、アトピーに対しては知識が無く、治療も塗り過ぎや塗らなさ過ぎがあるということと、皮膚科医の治療に対して従わない患者が多くいることなどを話され、治療を統一するために2008年にガイドラインを作ったというお話でした。中国でもアトピー性皮膚炎の罹患率は増加しているそうです。ステロイド治療はあります。ガイドラインは日本のものと良く似ています。市販薬のステロイドもあるそうです。

 特別講演2は広島大学の平郡先生の「アトピー性皮膚炎と汗アレルギー」の話でした。汗の中に蕁麻疹を起こす物質があり、それは癜風菌の一種Malassezia globosa が産生するMGL_1304という短い蛋白質と同じ配列を持っているとのことです。その物質がどこから出てきたかはまだ不明です。今後臨床と比較しながら、そのタンパク質の持つ意義を調べる必要があるようです。

 最後はワークショップ3でした。発表者は、自分がアトピー性皮膚炎患者で今でもステロイドを痒くなったら塗っている独協医科大学越谷病院皮膚科教授の片桐先生でした。演題は「アトピー性皮膚炎の長期予後」で、重症の10%はどうしようもなく治らないようですね、と言われてました。「片桐先生自身はステロイドを塗っていたら治ると思いますか」という質問に対して、「自分は、ステロイドを塗っても良くならないと思っている」と、平気で言っておられました。
 討論の時、私は、長期予後は重要で、脱ステとステロイド治療の経過を20年ほど追跡するような研究が必要なので、学会として取り組むべきである、と言いました。司会の杏林大学塩原先生は、長期予後については重要と考えておられて、しばらく長期の追跡調査について何人かの先生方と議論をしていました。しかし、長期の追跡調査をするというまとめにはなりませんでした。

 ポスターについての討論については、中国の先生の話の後30分ほど討論時間が設けられていたのですが、この先生が15分ほど話を伸ばしたので、15分ほどしか討論時間はありませんでした。2-3人の先生が質問されていました。

 まとめは変になりましたが、討論で脱ステロイドを行っている医師が3人発言しましたので、脱ステを行っている医師がまだいることを印象付けることはできたと思います。ガイドラインについての主催者のまとめがおかしいことも皆さんはお分かりだと思います。

 以上、簡単なご報告まで。

3/21アトピック講演会(大阪)報告

3月 22nd, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in 講演会 - (0 Comments)

皆様

 3月21日の大阪講演会のご報告をさせていただきます。
 当日は、3連休の初日の金曜日ということもあり、超満員とまではいきませんでしたが、120名ほどの参加がありました。子ども編と大人編の2部制にしたので、ゆったりと話を聞いていただけたと思います。可能な限り2部制を続ける方がいいように思います。講演者の前にタイマーがありましたので予定時間はほぼ守られていました。そのため、運営は大変スムーズでした。
 第1部で、藤澤重樹先生は「ステロイドはなぜいけないのか? エビデンスから解るその理由」、佐藤美津子先生は「赤ちゃんのアトピーは自然に治ります」と題して講演した。両者共に、ステロイドを使わない治療をすると、ステロイドを使わなかった子供よりステロイドを使った子どもの方が治癒まで長時間かかると自分のデータで説明がありました。後者の講演の中には、赤ちゃんのアトピーの治療には食事が重要と説明がありました。栄養士の渡辺雅美先生は赤ちゃん用の食事では、バランスの良いことと少しだけ薄味だがおいしい味付けをすることを強調された。
 患者体験談では、ステロイドを止めるといったんひどくなるが必ず良くなるから頑張るように、との呼びかけがありました。また、きらきら星での対話やmixiなどでの励ましあいが大変有効であることを強調されました。会場ではもらい泣きがみられました。
 第2部では。佐藤健二により、アトピー治療について今と昔の比較がされ、ステロイドの無い頃の方が良い治療成績であることが紹介された。今の治療成績の悪化はステロイドの使用によると説明があり、その治療方法である脱ステロイドと脱保湿療法が詳しく説明された。
 成人患者体験談では、ステロイドだけでなく保湿も止めて良くなったこと、いったん脱ステロイド脱保湿で良くなったが、安心して保湿をすると再悪化することが紹介された。また、「ステロイド外用剤を使用しないという選択肢が無いのはおかしい」と今の治療環境の異常さの指摘がありました。
 質疑応答では、余り個人的な質問はなく、講演内容の質問が多かったように思います。大阪では近くに受診できる所があるからでしょうか。
 今回の講演会には東京からIさんとEさんが応援に来てくださいました。遠路はるばるご苦労様です。大阪近郊からは多くの方が応援に駆けつけてくださいました。ありがとうございます。
 懇親会では、多くの方が和気あいあいと話をされていました。二次会で私は少し飲み過ぎて、眼鏡入れを忘れて帰ったようです。眼鏡はポケットに残っていましたが、残念。
 今回も大成功でした。皆様ご苦労様でした。