脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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2012年2月1日から近鉄、河内松原駅から阪南中央病院へ無料バスが運行され始めました。以下をご覧ください。
http://www.hannan-chuo-hsp.or.jp/access/bus.html
ご参考までに:
近鉄、阿倍野橋駅(天王寺)から河内松原(かわちまつばら)駅まで250円、準急で9-10分かかります。
近鉄、阿倍野橋駅(天王寺)から布忍(ぬのせ)駅まで250円、普通各駅停車で18-20分かかります。
河内松原は、阿倍野橋から乗れば布忍より二つ遠い駅ですが、準急行に乗ると時間は早いです。運賃は同じです。重たい荷物をお持ちの場合、歩きにくい場合などは便利かと思います。ご利用ください。

脱ステ入院期間

2012年01月22日 | Posted by 佐藤 健二 in 阪南中央病院 - (0 Comments)

阪南中央病院へ脱ステロイドで入院した場合、入院期間は気になる所だと思います。392人のデータを見ました。中央値は42日です。平均値とその標準偏差は50.7日±38.2日です。中央値は、日数の少ない人から順に並べて、丁度半分の所すなわち196人目の人の入院日数を示します。それが42日だったということです。平均値と8日ほど差があるのは、入院期間のかなり長い人が少数ですが存在したということで生じています。入院時、平均は45日ぐらいですと説明させていただいてましたが間違っていなかったと思います。
 なお、入院の平均年齢は28歳でした。

2008年4月1日から2011年10月31日までに、阪南中央病院へ成人型アトピー性皮膚炎で脱ステロイド・脱保湿療法のために入院された2歳を超えた患者さんの数は392名(再入院を含む)です。この内、2012年12月31日までに再入院の経験のある方は、3回入院の人は4人、2回入院の人は29人ですので、再入院経験者は33人となります。従って、再入院の数を引くと392-(2x4+1x29)=355となり、入院された別々の個人は355人です。再入院する人の率は33/355=0.093となり、再入院する人は10人に一人弱程度ということになります。
 2歳以下の患者数については後日報告いたします。

第91回 阪南中央病院 健康教室 2011.4.23
「アトピー性皮膚炎の治療について」のご報告

豪雨の中、定員80名の所78名の参加がありました。最も遠くからは静岡県から来られました。既に報道されていますが、どういうわけかお茶のサービスがありました。私は多少脱水だったので2本飲ませていただきました。スライド原稿のコピーも色刷りで、筆記用具のボールペンも配られました。サービス満点でした。病院職員である私が言うのも変ですが、お世話下さった健康教室の皆さんにお礼申し上げます。

話の内容は、まず、ガイドラインの簡単な説明とガイドライン作成者の論文(Brit J Dermatol 2003; 148: 128-133, Furue et al)の説明をしました。後者については、6か月のステロイド治療で、1200人強の人々の重症度がどのように変わったかについてです。誰一人として治癒したものは無しです。62%の人は同じ重症度か悪化で、改善したのは38%です。

次に、ステロイド治療で治りにくい理由の説明をしました。治りにくいアトピー性皮膚炎は、本来のアトピー性皮膚炎とステロイド依存性皮膚症(=外用ステロイドの最も重大な副作用)の合併した状態で、ステロイドの依存性にステロイドを外用して抑えようとするため依存性を深めていき、いつまでたっても治らないと説明しました。この状態からの離脱には脱ステロイドと、ステロイド依存性に併発する保湿依存症を治すための脱保湿が必要です。ステロイドを使わずに治療すれば、アトピー性皮膚炎は怖い病気でないことが分かっていただけます。なお、脱ステロイドや脱保湿は、サプリメントを少し飲むという様にちょっと何かをしたら苦も無く良くなるという治療ではなく、大変厳しい治療であることを知っておく必要があることを強調しました。
また、アトピー性皮膚炎の治療で問題となっているアレルギー説についても、根拠を示してアトピー性皮膚炎がアレルギーで起こっているのではないことを説明しました。また、佐藤小児科のデータを示して、ステロイドを使用しなくても幼児の顔面の湿疹は治ることと、ステロイドを使った人より使わなかった人の方が早く治ることを示しました。外用ステロイドは意外な所に作用していることや、免疫抑制剤であるプロトピック(外用)とネオーラル(内服)はけっして使わないよう勧めること等を話しました。

質問も時間いっぱいありました。低蛋白血症・低ナトリウム血症などを示す乳児の治療、水分制限の方法、引きこもりから逃れる方法、炎症後の色素沈着、などです。

この講演会で感じたことは、標準治療は皮膚科医や小児科医が述べるように患者を治癒に持って行くことの難しい治療法であるということを患者自らが勉強して知る必要があるのではないか、ということです。この講演に使用した古江氏の論文の重症度の変化については、それを整理してインフォームドコンセントに載せ、それを基に自分たちの希望する治療をしていただくようにするのがいいのではないかと思います。

アトピーとは直接関係ないですが、震災関連の阪南中央病院の広報です。拡めていただければ幸いです。

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被災地でお困りの妊婦さん、出産を当院で!

2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災されました地域の皆様、関係の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

地域周産期母子医療センターを有する当院では、今回の震災でお困りの妊婦の方々に、大阪府や松原市、松原市医師会等の協力を得ながら、安心して出産して頂けるような受け入れ体制を整え、お迎えしたいと考えております。

ご相談に乗りながら病院職員が一丸となって、お手伝いをさせていただきたいと思います。

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詳しくは以下をご覧ください。

http://www.hannan-chuo-hsp.or.jp/news/news-ukeire.html