脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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皆様

今朝の毎日新聞に、6か月調査を載せていただきました。

https://mainichi.jp/articles/20170408/ddm/013/040/017000c

佐藤小児科   佐藤美津子

ステロイド治療側にも一定の配慮はされていますが、大きい紙面で全国版なので、患者さんたちに読んでいただけたらうれしいと思っています。

 ついこの間まではIL-17がアトピー性皮膚炎にとって大切なサイトカインと言われていました。今はIL-31です。おそらくそのうちにIL-〇〇が重要ですという話が出てくるでしょう。痒みについての一断面を示しているとは思いますが、アトピー性皮膚炎全体を説明できる研究ではありません。
 アトピー性皮膚炎を説明しようとすれば、多くの赤ちゃんが発症後2年ほどで自然治癒することを説明できる実験が必要でしょう。アトピー性皮膚炎が発症する、あるいは悪化する原因はこれだという研究ではなくて、こういうメカニズムで自然に治るということを示す研究があればそれは本当のアトピー性皮膚炎の研究として検討の意味のあるものでしょう。
 ネズミでは皮疹の悪化は起こっても、自然に治癒するネズミは今まで発見されていません。だから、人間のアトピー性皮膚炎とネズミの湿疹とを同じものとして研究することは研究の方向性としては正しくないと考えます。
 今後も、これでかゆみが起こる、これで湿疹が起こるという実験はいくらでも出てくるでしょう。しかし、人間のアトピー性皮膚炎は自然に治るのだということを示す実験であるかどうかがその実験が本当に価値のある実験であるかどうかを分けることになると思います。この点を注意して評価してみてください。

 アトピー性皮膚炎モデルマウスでワセリンを外用するとアトピー性皮膚炎が予防できるというニュースがでました。簡単に要約しますと、JAK1という蛋白質の異常でマウスの皮膚が痒くなり皮膚炎を起こすようになる、ワセリンを塗ったら皮膚炎の発症を遅らすことができる、だからヒトではワセリンを塗っておればアトピーを予防できる可能性がある、という内容です。
 この実験で確実に言えることは、JAK1という蛋白の異常でマウスの皮膚のバリア機構が低下し皮膚炎を起こすということです。しかし、そこから先は注意して話を聞く必要があります。
 まず次の表を見てください
                マウス         ヒト
皮膚炎発症率       100%         20%
ある時期に治癒      不明(恐らく無し)   2歳で相当数治癒

この表を見るだけで、作られたマウス(Spade マウスと命名されています)の皮膚炎がヒトのアトピー性皮膚炎とかなり違うものであることがわかります(これまでも幾つかのアトピー性皮膚炎モデルマウスが作られましたが同じ欠点があります)。だから、このマウスの皮膚炎をヒトのアトピー性皮膚炎と同じものと考えて種々の考察をすることは危険を伴います。ヒトのアトピー性皮膚炎と同じものでないことは発表した人々も知っています。発表した論文の題を見ると次のようになっています。
Hyperactivation of JAK1 tyrosine kinase induces stepwise progressive pruritic dermatitis.
最後の2単語「pruritic dermatitis」は「瘙痒性皮膚炎」であって「アトピー性皮膚炎」ではありません。
 ワセリンを塗ったら皮膚炎が予防できるという話を検討してみましょう。ワセリンを塗らなかったマウスでは、出生後7週で皮膚炎発症が始まり9週で100%のマウスに皮膚炎が発症し12週まで減少せず続いています。一方、ワセリンを塗ったマウスでは9週から発症が始まり12週で60%のマウスに皮膚炎が発症しています。図には12週までの結果しか出ていません。ワセリンを塗らないマウスでは皮膚炎発症が100%に達するまでに2週間しか要しませんでしたが(1週間で50%)、外用したマウスでは3週間で60%発症していますので(1週間で20%)、あと2週間ほどあれば100%発症する勢いです。マウスの寿命は約2年(104週)ですので、この後の実験をしなかったとは考えにくいです。恐らく実験はこの後も続けられており、14-15週頃にはワセリンを外用したマウスでも全例皮膚炎を発症したのだと推測ます。そしてそのことは論文には出したくなかったのでしょう。だから、発症を遅らすことはできても、発症させないことすなわち予防することはできなかったことになると思います。
 なお、この実験で重要なことの一つは、JAK1蛋白異常で生じてくる皮膚炎を起こす要素が皮膚組織にあり、免疫系にないことがあります。このことは、ヒトでJAK1蛋白異常があり皮膚炎が起こる場合には免疫アレルギーが関与しないことを意味しています。JAK1蛋白異常がヒトのアトピー性皮膚炎と関係があるなら、アトピー性皮膚炎のアレルギー説は更に後退することになるでしょう。

アトピー性皮膚炎ハイリスク新生児に保湿をすべきか?
このことについて記載のある下記の片岡葉子先生の論文で検討した。ご一読願いたい。
資料:片岡葉子、スキンケアによる乳児アトピー性皮膚炎発症予防は可能か、マルホ皮膚科セミナー 2010年8月19日放送 第59回日本アレルギー学会秋季学術大会① ミニシンポジウム21-9

http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-100819.pdf

を元に、新生児への保湿について検討する。
【研究の目的と方法】
 この論文に記されている研究の目的は、生後早期からのスキンケア(著者はこう表現するが、ここでは保湿クリーム外用と表現する)によって、2親等以内にアトピー性皮膚炎の家族歴を有するアトピー性皮膚炎発症ハイリスク群(以下、ハイリスク群)の新生児において、①アトピー性皮膚炎発症が予防できるかどうかと②乳児期早期の皮膚生理機能が変化するかどうかを検討することである。研究方法は、新生児の顔面に少なくとも1日1回6ヶ月間保湿クリームを外用する群と何も外用しない群を無作為に振り分け、1週後、1ヵ月後、4ヵ月後、6ヵ月後に皮膚症状の診察と厳密な条件化で経皮水分蒸散量、角質水分量、黄色ブドウ球菌コロニー数を測定した。そして生後6ヶ月に卵白、牛乳、小麦のプリックテスト(アレルギー感作の有無を調べる)を行なった。アトピー性皮膚炎の診断は明らかな強い炎症を伴う湿疹病変または、軽い湿疹性変化の場合は、4ヶ月と6ヶ月の療法で病変を観察できたものとした。
【結果】
 結果は、調べえた67例のうち保湿クリーム外用群は35例、無処置群は32例であった。保湿クリーム外用群のうち17例はプリックテスト陽性、18例は陰性であった。17例のうち5例がアトピー性皮膚炎になったが(後の検討では7例と記されているが5例の間違いと考える。したがって発症率も5/17=29%が正しいと考える。差が大きく出ることになり、著者に有利になる変更である)、保湿クリーム外用群の残り30例にはアトピー性皮膚炎の発症はなかった。無処置群のうち8例がプリックテスト陽性、24例が陰性であった。8例のうち6例がアトピー性皮膚炎になり、無処置群の残り26例にはアトピー性皮膚炎の発症はなかった。経皮水分蒸散量の比較研究では、無処置群でアトピー性皮膚炎にならなかった26例を生理的な皮膚機能の代表と考え、この26例と保湿クリーム外用群の経皮水分蒸散量の経時的変化を比較した。生理的群では最後1ヶ月から4ヶ月の間に経皮水分蒸散量が有意に増加していたが、保湿クリーム外用群では有意な差は無かった。角質水分量と黄色ブドウ球菌コロニー数は保湿クリーム外用による優位な変化は無かった。なお、保湿クリームには食物由来成分は無く、妊娠中と授乳中の食物制限した人の率はプリックテスト陽性と陰性で有意差は無かった。
【著者の承認したこと】
 この結果から、著者は、次のことを承認した。①アトピー性皮膚炎の発症率は保湿クリーム外用群と無処置群では順に5/35と6/32なり有意差は無かった。②プリックテストの陽性率は同じく順に17/35と6/32であり、保湿クリーム外用群に有意に陽性者が多かった。ところが、③プリックテスト陽性者の中でのアトピー性皮膚炎の発症は、同じく順に5/17(掲載文中の後の方には7/17、41%となっているが、5/17、29%の間違いと考える)と6/8であり、無処置群のほうが高かった(有意差有りとは言っていない)。④経皮水分蒸散量は、無処置群でアトピー性皮膚炎を発症しなかった者では生後1ヶ月から4ヶ月の間に有意に増加したが、保湿クリーム外用群では有意な増加は見られなかった。
【著者が主張したいこと】
 ①から④を承認した上で、著者はおおむね次のように主張している。すなわち、「保湿クリーム外用によって経皮水分蒸散量が有意に減少したから、保湿クリームの外用はバリア機能障害を抑制している④。保湿クリームの外用によりバリア機能障害を抑制するのだから、アレルギー素因のより強い対象者(初めからプリックテスト陽性)が含まれていたと思われる保湿クリーム外用群ではアトピー性皮膚炎の発症は下がるはずで、実際下がっている③。だから、保湿クリーム外用によりアトピー性皮膚炎発症予防が期待できる。」と。
【著者の主張の吟味】
 では著者の主張を吟味してみよう。
1.生後1-4ヶ月の経皮水分蒸散量の増加の評価
 まず、経皮水分蒸散量について検討してみる。経皮水分蒸散量は皮膚のバリア機能が破壊されれば増加する。しかし、その逆、すなわち経皮水分蒸散量の増加は皮膚バリア機能の障害といえるかどうかは慎重な評価が必要である。もし、健常児(アトピー性皮膚炎の家族歴の無い新生児)では生後1から4ヶ月の間に経皮水分蒸散量が増加するならば、その増加は正常の変化と考えられる。本実験の結果のように、保湿クリーム外用により経皮水分蒸散量が増加しなければ、それは健康な皮膚の正常の変化を抑制していることになる。ハイリスク新生児に保湿クリームを外用し経皮水分蒸散量が低下したことが皮膚バリア機能の障害を抑制した証拠と言えるのは、健常児では生後1から4ヶ月の期間に経皮水分蒸散量が増加しないことが確かめられている場合に限られる。したがって、保湿クリーム外用群のコントロールとしてはアトピー性皮膚炎のハイリスク群でない赤ちゃんを無処置で経過を追ったときの経皮水分蒸散量を測定しておくべきであった。本実験からは、保湿クリーム外用により経皮水分蒸散量が低下したとは言えるが、その低下が皮膚を保護できたという意味の良い結果であるとはまだ言えないのである。なおここで次のことを確認しておこう。著者は、経皮水分蒸散量について保湿クリーム外用群の35例と無処置群の内の26例を統計学的に比較している。比較するということは、経皮水分蒸散量についてこの2群間については同程度の分布であることを前提している。すなわち、封筒法によるランダマイズ化はうまく言っていることを前提としている。この前提を保湿クリーム外用でアトピー性皮膚炎発症を予防することができるかどうかの議論のときにどのように言っているかを次項でみてみよう。
2.保湿クリーム外用でアトピー性皮膚炎発症は予防できたか?
 保湿クリーム外用によるアトピー性皮膚炎発症の予防について検討しよう。著者は、保湿クリーム外用によってアトピー性皮膚炎の発症を抑制できるかもしれないと考えてこの研究を始めたが、発症率は保湿クリーム外用群と無処置群で類似の結果であったため、期待はずれであったことを述べざるを得なかった。しかし、自分の期待した結果を示している数字がないかと探した。すると、保湿クリーム外用群では、プリックテスト陽性者の中では少ししか発症していないことに気づいた。すなわち、保湿クリーム外用群では17人中5人しか発症せず、無処置群では8人中6人もアトピー性皮膚炎を発症していた。そこで、保湿クリーム外用群では17人もプリックテストが陽性になっており、無処置群では8人しか陽性になっていなかったことに目をつけ、保湿クリーム外用群には偶然アレルギー素因のより強い人が含まれてしまった、とした。なお、保湿クリーム外用によって食物抗原に対する感作が促進された可能性は、保湿クリームには食物由来成分を含まないことと妊娠中と授乳中の母親の食物制限にプリックテスト陽性群と陰性群の間で差が無かったことから否定できると考えている。
 2-1プリックテスト陽性群でのアトピー性皮膚炎の発症に有意差は無かった
 保湿クリーム外用群では17人中5人しかアトピー性皮膚炎にならず、無処置群では8人中6人もの多くの赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になったと著者は主張する。これをχ2乗検定をすると、症例数が少ないのでYate’sの補正式を使わなければならない。その結果はこの2群間に有意な差は無いのである(p=0.087)。著者もこの計算はしたのであろう。だから、「明らかに高率で発症している」とは述べているが、有意差があるとは表現していない。著者が苦労して作り上げた、自分の予想を示してくれるデータそのものが統計学的には主張できないものであった。

 2-2アレルギー素因は不均等な振り分けになったと仮定するには無理がある
 プリックテスト陽性者は、保湿クリーム外用群では35名中17名で、無処置群では32名中8名であった。保湿クリームには食物由来成分は含まれていないことと母親の食物制限は両群間で差が無かったことから、保湿クリーム外用で感作が促進された可能性を否定し、プリックテスト陽性者の比率の大きな違いは、無作為均等割り付けをしたにもかかわらず、偶然保湿クリーム外用群にプリックテスト陽性者すなわちアレルギー素因の強い者が含まれてしまった、と著者は考えている。
 食物由来成分では感作されなかった理由として二つのものを挙げているが、食物由来成分は、料理をした手や食事をした手で保湿クリームを外用すればいくらでも赤ちゃんに付着することはありうる。したがって生下時から6ヶ月の間に食物由来成分で感作されなかったと仮定するには無理がある。また、経皮水分蒸散量についての検討のときは、おおむね均等割り付けができたと評価していることとも矛盾する。
 保湿クリーム外用群に偶然アレルギー素因のより強い人が含まれてしまったと評価するならば、この実験は、アレルギー素因の強さが均等に分かれていることが確かめられる方法で再実験するべきである。すなわち、現実には難しいが、生下時にプリックテストをしてアレルギー素因の有無を調べておくということである。
 感作されなかったと仮定しているから、生まれた時からプリックテスト陽性者の赤ちゃんが多数いたことを前提にしている。そうしなければ、次項で述べるように、保湿剤外用によってプリックテスト陽性者が増えてしまったことを承認しなければならなくなるからである。
 2-3保湿クリ-ム外用で経皮感作が増加した
 均等割り付けが正しく行なわれていたと評価したうえで、プリックテスト陽性者の検討をする。プリックテスト陽性者は保湿クリーム外用群では17/35であり、無処置群では8/32となり(p=0.046)、有意な差が存在する。すなわち、保湿クリームを外用すると食物成分の感作が増えたということである。すなわち、保湿クリームを外用することでアレルギー感作が増加したということである。
3.この実験の正しい評価
  こまでくると、やはり普通の評価をしたらどうなるかを述べる必要があるように思われる。普通の評価とは次の通りである。
 統計学的に有意差のあるものは、結果の差が真実を表していると考えるならば(統計学で評価する場合には普通に行なわれている正当なこと)、結果の評価は次のようにだけ言える。①保湿クリーム外用群と無処置群でアトピー性皮膚炎発症率はそれぞれ順に、5/35、6/32であり、統計学的に有意差は無かった。したがって、保湿クリーム外用によってアトピー性皮膚炎の発症予防にはならなかった。②プリックテスト陽性者は保湿クリーム外用群では17/35であり無処置群では8/32となり(p=0.046)、保湿クリーム外用を行なうとプリックテスト陽性者が多くなった。③プリックテスト陽性者の中でアトピー性皮膚炎を発症したものは保湿クリーム外用群で多かったが、症例数が少なく、Yate’sの補正式を用いたχ2乗検定では有意差が無く、プリックテスト陽性者の中で保湿クリーム外用をしたことでアトピー性皮膚炎発症が減ったとは言えない。④保湿クリーム外用をしなければ、生後1ヶ月から4ヶ月の間に経皮水分蒸散量は増加するが、外用すると増加は認められなかった。外用による経皮水分蒸散量の減少を良い結果と評価するには、健常児でのその間の経皮水分蒸散量の増加が無い場合に限られる。
4.私のコメント
 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターの検討では、生下時からの保湿剤外用は、感作を増加し、アトピー性皮膚炎の発症予防にはならなかった。国立成育医療研究センターの論文については多くのメディアで大々的に宣伝されているが、今後ゆっくりと評価する予定である。今回検討した実験が存在することから、アトピー性皮膚炎発症リスクの高い赤ちゃんに保湿は良いと軽々しく言わないほうがよいということは言えるであろう。先日の第66回日本皮膚科学会中部支部学術大会(2015.10.30-31)のあるセミナーで、ある大学の教授が次のように言っていたことも記す価値があると考える。「赤ちゃんに保湿をしても経皮感作が減ったというデータは出てきませんなー。」

                       67ハイリスク新生児

             35外用               32無外用

       17陽性      18陰性      8陽性       24陰性  プリックテスト

   5       12   0    18     6    2     0    24
  有       無   有   無     有   無    有   無   アトピー性皮膚炎

皆様

最近在外の友人から連絡が入りました。下記の著者たちによって、アメリカ皮膚科学会雑誌の電子版に、アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用剤治療によってステロイド依存症が起こることが記述されたとのことです。

Hajar T, Leshem YA, Hanifin JM, Nedorost ST, Lio PA, Paller AS, Block J, and Simpson EL (the National Eczema Association Task Force)

A systematic review of topical corticosteroid withdrawal (“steroid addiction”) in patients with atopic dermatitis and other dermatoses.

J Amer Acad Dermatol (2015): doi:10.1016/j.jaad.2014.11.024

簡単に説明しますと、英語で記述された関連論文34編を調べて、「証拠の質は低いが」という留保条件を付けてはいるが、外用ステロイドの副作用として「外用ステロイド依存症 Topical corticosteroid addiction」を取り上げ、次の二つのことを明瞭に述べています。

「この副作用をより明瞭に理解すれば、アトピー性皮膚炎やその他の皮膚疾患の治療中に、薬物提供者、親、そして患者が十分な情報を得て治療を選択することができるようになるであろう」

A clearer understanding of this adverse effect will allow for fully informed choices by providers, parents, and patients during the management of atopic dermatitis and other dermatoses.

「外用ステロイド依存症は、外用ステロイドのよく知られたほかの副作用とは明確に区別される臨床的な副作用であるように思える」

Topical corticosteroid withdrawal (addiction) appears to be a clinical adverse effect distinct from other well-described topical corticosteroid adverse effects.

アトピー性皮膚炎に対する外用ステロイド治療でステロイド依存症が起こることを示す原稿が色々な形の妨害行動で印刷論文にならない日本の状況で、このような概説論文がアメリカ皮膚科学会雑誌に印刷出版されることは画期的なことです。この論文が出てくるに当たってはITSANのホームページなどの活動が大きな刺激になったことが示されています。日本でのアトピックの活動(ステロイドを使わない治療もアトピー性皮膚炎の治療と認めること、ステロイドに対する依存性の存在を認めること、小児にはできるだけステロイドを使わないことをガイドラインに記載することを日本皮膚科学会に求める署名活動)もITSANとの共同行動であり、この論文の印刷に影響を与えています。日本皮膚科学会は回答書を作成したと皮膚科学会雑誌に記述していますが、まだ回答書を送って来ていません。送らない理由が、この論文の出版を早く聞きつけ、この論文と矛盾しないように回答書を再検討しているのかもしれません。現在、日本ではアトピー性皮膚炎のガイドラインの改訂中です。ステロイド外用剤の依存性を認める内容を含んだガイドラインを早く作ってほしいものです。