1970年代の終わり頃に事件がありました。ステロイドを顔に塗ると皮膚の表面がツルツルになり化粧ののりが良いということで、顔にステロイドを塗ることが流行りました。しかし、何かの理由でステロイドを塗らなくなると激しい皮膚の悪化が起こりました。日本皮膚科学会は、このような間違ったステロイドの使用に警鐘を鳴らしました。
市販のステロイドがマスメディアで頻回に宣伝されると同じことが起こる可能性が出てきます。ステロイドの使用については注意が必要であることを「使用上の注意をよく読んでお使いください」と述べるだけでなく、製薬企業は宣伝と同じ紙面で上記のような事実のあることを注意書きとして記すべきです。
顔面へのステロイド剤の不適切な使用で悪化した症状を「しゅさ様皮膚炎」と命名して学会も認めています。顔に起こっていることは体でも起こっています。それがステロイド依存性皮膚症です。注意が必要です。
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