脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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 第30回近畿アトピー性皮膚炎談話会(2009.9.26)で国立成育医療センターのアレルギー科医長の大矢幸弘先生(今年の9月5日にNHKでアトピーについて話された先生)が話された内容で、食事アレルギーとアトピー性皮膚炎との関係は、最近の学説ではほとんど関係がないという考え方に変わっていると話されました。この学説は、システマティックレビューという、最近の最も信頼できる分析方法に基づいて述べられました。勿論、アナフィラキシーを起こす食事はあるがこれはほんのごく一部で、すぐわかる症状だということです。
 食事とアトピー性皮膚炎に関連する大矢先生のお話の内容の要点を述べます。妊娠中の食物制限はアトピー性皮膚炎の予防効果は無く、アレルギー検査が陽性になるという意味での感作という点でも予防効果はありません。更に、生まれた子供の平均の体重は100g少なかったそうです。授乳中の母親の食物制限もアトピー性皮膚炎発症予防効果はありません。衝撃的だったのは、授乳中の母親の食事制限が子供のアトピー性皮膚炎の予防に有効であると述べられていた有名な論文がねつ造(嘘)だったことでした。牛乳や離乳食を開始する時期や母乳をあげている期間の違いは2歳での抗原感作率に影響がありませんでした。驚きの話のもう一つは、離乳食を開始する時期が遅いほど2歳でのアトピー性皮膚炎が多かったということです。
 私は以前よりアトピー性皮膚炎の悪化に食事アレルギーはほとんど関係がないので、アナフィラキシーを示す食事以外は制限する必要がないと訴えてきました。大矢先生は小児科医ですので、今後食事制限をしなくなる小児科医は増えていくでしょう。このことは、アトピー性皮膚炎の治療における大きな転換点になると考えます。保育所や幼稚園、小学校などでの食事制限が早くなくなることを願います。アトピー性皮膚炎治療上の二つの大問題のうちの一つが解決されていくかもしれません。早くこの考え方が拡がることが望まれます。もう一つの問題点はステロイドとプロトピックの外用です。これについても何とかしなければなりません。

皆様
元国立名古屋病院皮膚科の深谷元継先生が脱ステロイドについて活動を再開されました。下記のサイトでブログを出されてます。少し難しい内容ですが、一度ご覧ください。深谷先生が再び脱ステロイドに関心を持たれたことは、私にとっては大変うれしいことです。
http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/
佐藤健二

お盆休み(8/10-8/14)

2009年07月27日 | Posted by 佐藤 健二 in その他 - (0 Comments)

申し訳ないですが、8月10日から8月14日までお盆休みにさせていただきますので、外来診察はございません。よろしくお願いいたします。

石鹸を使う使わないは関係なく、入浴前の皮膚(あるいは傷)と入浴後の皮膚(あるいは傷)を比べてみて、入浴後に滲出液が増えていれば洗いすぎと判断します。洗いすぎると見た目はきれいになりますが傷はいつまでも治らないことになります。
 ・洗った後で硬いかさぶた(痂皮)が取れても滲出液が出ていなければ問題なしです。
 ・洗う前に傷の上に黄色い糊のようなものが付いている場合、これを取り去るとほぼ確実に滲出液が出ます。糊のようなものは取らないほうが賢明です。
清潔にするあるいは見た目の傷をきれいにすることを体を洗う基準にすると、傷を痛めたり治りにくくしたりすることになるので、注意する必要があります。石鹸を使用する場合は必ず良く泡立てることが必要です。泡立て器でも石鹸の粒が十分に溶けていない場合があるので石鹸を使って洗うときはタオルに石鹸をこすりつけて十分に泡だてた後で使用するのが安全でしょう。

患者から提出するアトピー性皮膚炎治療のインフォームドコンセント
 この文書は、ステロイドや免疫抑制剤を使用しないで治療していただくことをお医者様にお願いする時に、前もって印刷して医師にお見せするための原案です。実際にこれを使用される場合は、子供用であるか大人用であるかなどを選択すると共に、自分の状況にあわせて変更して使われるのがよいかと思います。また、可能な限り、簡潔に自分の病歴を付け加えるのがお医者様の負担軽減になるのではないかと思います。
 印刷はどれか(Ⅰ−1、Ⅰ−2あるいはⅡ)を選んで「インフォームドコンセントのために」から文献の最後の「———世界的に有名な皮膚科教科書」までをコピーする。
 なお、本文書は、色々なホームページ、サイト、ブログなどで自由に掲示、利用していただいて結構です。また、変更して利用していただいて結構です。
Ⅰ−1.大人版
インフォームドコンセントのために
診察していただくお医者様へステロイド不使用治療のお願い
私はこれまで(あるいは○○年の間)医師の指示に従ってステロイドやプロトピックの標準的外用治療を行ってきましたが、良くなっていると思えません。どちらかと言えば外用量を増やすことや更に強力なステロイドを外用しなければならなくなっていると思います。もうこれ以上強力なステロイド治療をしたくなくなりました。昔、多くのアトピー性皮膚炎は成人になるまでに自然に消失していたと聞いています。現在のままステロイドやプロトピック治療をしておれば自然に消失していくとは思えません。従って、ステロイドやプロトピックを使わない、あるいは少なくとも少しずつでも外用量を減らしていける治療をお願いしたいと思います。なお、ステロイドの内服薬は勿論ですが、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、口腔外用薬、喘息用吸入薬、痔疾用外用薬に入っているステロイドは、微量ですが全身の皮膚に影響があるといわれています。これらについても可能な限り使用しないで治療をお願いいたします。民間療法は不安ですので行いたくありません。
 まことに不躾なお願いですが、よろしくお願いいたします。
文献
1.玉置昭治他、成人型アトピー性皮膚炎の脱ステロイド療法、日皮アレルギー 1993; 1: 230-234
  初めて脱ステロイドを報告した論文
2.藤澤重樹著、アトピー治療革命、永岡書店、2004年
  初めて乾燥ガビガビ療法(脱保湿)を紹介した書物
3.佐藤健二著、患者に学んだ成人型アトピー治療、脱ステロイド・脱保湿療法、つげ書房新社、2008年
  脱ステロイド・脱保湿療法を体系的に述べた書物
4.安藤直子著、アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言、子供の未来社、2008年
  患者へのアンケート調査により患者の立場から脱ステロイドの重要性を指摘した書物
5.Kligman AM, Frosch PJ, Steroid addiction, Int J Dermatol 1979; 18: 23-31
  外用によるステロイド嗜癖(依存)は潜行性の副作用で医師の間での認知度は低いことと、外用ステロイド中止で激しい離脱症状が出現することを系統的に解説した総説論文
6.Leung DYM et al, Atopic Dermatitis, in Dermatology in General Medicine, 6th ed, McGRAW-HILL, 2003, p 1193
  昔は成人までに84%は治癒していたが、最近では成人までに20%治り65%は改善している(治らずに皮疹が残っているということ)ということを記述した世界的に有名な皮膚科教科書
Ⅰ−2.大人版、長期皮疹のなかった人用
インフォームドコンセントのために
診察していただくお医者様へステロイド不使用治療のお願い
私は幼少期に湿疹があり外用治療をしていたかもしれません。幼少期以降湿疹は問題にするほどではありませんでした。しかし、最近、皮疹が目立つようになりました。幼少期にステロイド外用をした経験があると、その多少に関わらず成人になってステロイドを外用した場合に成人型の重症アトピー性皮膚炎になることがあると聞いています。だから、ステロイドを使わずに治療していただくようお願いいたします。勿論、ステロイドを使用すれば短期で症状は軽減するでしょうが、多少時間がかかってもステロイド無しで治療していただきたく思います。なお、ステロイドの内服薬は勿論ですが、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、口腔外用薬、喘息用吸入薬、痔疾用外用薬に入っているステロイドは、微量ですが全身の皮膚に影響があるといわれています。これらについても可能な限り使用しないで治療をお願いいたします。民間療法は不安ですので行いたくありません。
 まことに不躾なお願いですが、よろしくお願いいたします。
文献
1.玉置昭治他、成人型アトピー性皮膚炎の脱ステロイド療法、日皮アレルギー 1993; 1: 230-234
  初めて脱ステロイドを報告した論文
2.藤澤重樹著、アトピー治療革命、永岡書店、2004年
  初めて乾燥ガビガビ療法(脱保湿)を紹介した書物
3.佐藤健二著、患者に学んだ成人型アトピー治療、脱ステロイド・脱保湿療法、つげ書房新社、2008年
  脱ステロイド・脱保湿療法を体系的に述べた書物
4.安藤直子著、アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言、子供の未来社、2008年
  患者へのアンケート調査により患者の立場から脱ステロイドの重要性を指摘した書物
5.Kligman AM, Frosch PJ, Steroid addiction, Int J Dermatol 1979; 18: 23-31
  外用によるステロイド嗜癖(依存)は潜行性の副作用で医師の間での認知度は低いことと、外用ステロイド中止で激しい離脱症状が出現することを系統的に解説した総説論文
6.Leung DYM et al, Atopic Dermatitis, in Dermatology in General Medicine, 6th ed, McGRAW-HILL, 2003, p 1193
  昔は成人までに84%は治癒していたが、最近では成人までに20%治り65%は改善している(治らずに皮疹が残っているということ)ということを記述した世界的に有名な皮膚科教科書
Ⅱ.子供版
インフォームドコンセントのために
診察していただくお医者様へステロイド不使用治療のお願い
私の子供の湿疹に対して、ステロイドやプロトピックを使用せずに治療してください。理由は、発生率は少ないかもしれませんが成人型のアトピー性皮膚炎になることを予防したいからです。ステロイド外用剤のない頃は、成人になるまでに多くの人が治っていたのに、最近では治らなくなっている人が多くなっており、この原因としてステロイド外用剤の外用が考えられるからです。プロトピックについても使用したくありません。自然にほとんどの患者が治るのに、プロトピックを使用し、免疫を抑え、発癌が起こるという危険を冒したくないからです。ステロイドやプロトピックを使用しない場合、治療日数が長くなっても上記の危険を防ぐことには代えられないと思います。なお、ステロイドの内服薬は勿論ですが、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、口腔外用薬、喘息用吸入薬、痔疾用外用薬に入っているステロイドは、微量ですが全身の皮膚に影響があるといわれています。これらについても可能な限り使用しないで治療をお願いいたします。民間療法は不安ですので行いたくありません。
 まことに不躾なお願いですが、よろしくお願いいたします。
文献
1.玉置昭治他、成人型アトピー性皮膚炎の脱ステロイド療法、日皮アレルギー 1993; 1: 230-234
  初めて脱ステロイドを報告した論文
2.藤澤重樹著、アトピー治療革命、永岡書店、2004年
  初めて乾燥ガビガビ療法(脱保湿)を紹介した書物
3.佐藤健二著、患者に学んだ成人型アトピー治療、脱ステロイド・脱保湿療法、つげ書房新社、2008年
  脱ステロイド・脱保湿療法を体系的に述べた書物
4.安藤直子著、アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言、子供の未来社、2008年
  患者へのアンケート調査により患者の立場から脱ステロイドの重要性を指摘した書物
5.Kligman AM, Frosch PJ, Steroid addiction, Int J Dermatol 1979; 18: 23-31
  外用によるステロイド嗜癖(依存)は潜行性の副作用で医師の間での認知度は低いことと、外用ステロイド中止で激しい離脱症状が出現することを系統的に解説した総説論文
6.Leung DYM et al, Atopic Dermatitis, in Dermatology in General Medicine, 6th ed, McGRAW-HILL, 2003, p 1193
  昔は成人までに84%は治癒していたが、最近では成人までに20%治り65%は改善している(治らずに皮疹が残っているということ)ということを記述した世界的に有名な皮膚科教科書
Ⅲ.病歴の記載内容
いつからいつまで、体のどこの部位に、どのような皮疹があったか(覚えていれば)、どのステロイドを(薄めていればどの程度薄めていたか)1日何回外用していたか。皮疹が拡大していけばどの順にどこがひどくなったか。
保湿はどのようにしていたか。上の質問に対する答えと同じように記述。
ステロイドをやめたくなった理由。
喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、じんましん、食物アレルギー、薬疹などの有無。これらについて本人および家族について。もし分かれば症状の存在した期間。