脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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2013年6月15日、第112回日本皮膚科学会総会の「土肥記念交換講座2」において、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校皮膚科教授、Peter M. Elias先生は招聘講演をされた。アトピー性皮膚炎の治療についてである。内容の多くは、論文Epidermal Barrier Dysfunction in Atopic Dermatitis(アトピー性皮膚炎における表皮バリア機能障害)、Cork MJ, J Invest Dermatol 2009; 129: 1892-1908に沿ったものであった。講演の最後近くで、ステロイド治療に関して、「ステロイド外用はrebound flare(リバウンド悪化)が起こるので、使用を減らすべきである」旨の言及をされた。アトピー性皮膚炎に対してのステロイド外用治療について類似の言及が、この論文には含まれている。アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用には問題がありそうだというのが現在のアメリカの考え方のようである。これに関連して、日本のある皮膚科教授は、「Corkのこの論文は脱ステ派に有利な論文ですね」と述べられた。情勢は少しずつ変わってきている。