脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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Author Archives: 佐藤 健二

第32回アトピック講演会(仙台)報告

9月 22nd, 2015 | Posted by 佐藤 健二 in 講演会 - (0 Comments)

皆様

仙台講演会のご報告です。ご一読ください。

 嵐のライブがあるため、新幹線やホテルの予約が取りにくかった。その勢いに負けて閑散とした講演会になるのは嫌だなと危惧していたが、開けてみると60名を越すほどの参加を得た。Koさんを初めとした仙台のあとぴっ子育児の会「くじらぐも」の人々の宣伝活動のおかげで、たくさんの人々に参加していただけた。感謝感謝。講演者にとっては初めての開催場所で、3人とも少し迷って到着が遅れた。それでも何とかEさんと北海道から駆けつけてくれたKaさん、地元のAさん、そして勿論Koさんなど(お名前の知らない人がいました)のおかげでほぼ時間通りに開催することができた。子供さんが多くなることがわかっていたので、会場の後ろにガラス張りの部屋がありそこで聴講していただいた。だから、会場には子どもの泣き声はまったくなく、話はよく伝わった。
 今回の講演の幼小児編は、佐藤美津子が30分、佐藤健二と水口先生が各15分を受け持った。後2者の話はこれまでに無いものであった。演題はそれぞれ、「赤ちゃん・子供のアトピーは自然に治ります」、「入院する赤ちゃんの問題点」、「こんなに違う!ステロイドを『塗らなかった赤ちゃん』と『塗った赤ちゃん』」であった。成人編は佐藤健二と水口先生が担当で、それぞれ「治らないアトピーになぜ脱ステロイド・脱保湿?」、「脱ステ中の色々な経過と脱ステが成功するには」と題した講演であった。
 体験談は、Kさんが3歳の子どもさんの脱ステの経過を話された。淡々とした口調のなかにしっかりとした観察眼をお持ちの様子が伺われた。成人体験談はSさんが担当された。非常にわかりやすい話であった。
 質疑応答では、乳幼児編ではやはり、乳児期からの保湿の問題と脱保湿の質問があった。成人編では脱ステロイドの時期や脱ステ後に調子が良くても再発する可能性などの質問があった。ホットな議論であった。
 懇親会は16名もの参加があった。そのうち5人が阪南中央病院入院経験者。ほとんどが非常にきれいになっていて、アトピーがあるとはわからないほど。話は盛り上がり、盛り上がりすぎて時間が過ぎ、追い出される感じになってしまった。
 今回も大成功であった。

31回アトピー講演会in岐阜のご報告

6月 24th, 2015 | Posted by 佐藤 健二 in 講演会 - (0 Comments)

岐阜での第31回アトピック講演会を報告させていただきます。

 会場はたくさんの車が無料で駐車できる広い駐車場を持ったすばらしいもので、部屋も広く多くの椅子を出せゆったり座ることができました。乳幼児編と成人編の二部制で、第一部が終わるとかなりの人が入れ替わりました。合計100人くらいの人が参加されたようです。岐阜講演会を準備いただいたYさんやOsさんのご家族などのご努力のおかげです。講演会のチラシも広範に配布していただきました。ありがとうございます。

 乳幼児編では佐藤美津子先生がアトピー性皮膚炎は自然に治ることと食物を食べることの重要性について、藤澤重樹先生が文献とご自身のデータからステロイドを使わないほうが予後がいいことを話されました。患者体験談ではYさんが話された医者との間の苦労話、Osさんの食事を食べさせる苦労談、お二方に共通の結論「ステロイドを使わないでがんばるご家族はたくさんいるので友達の輪を作ることの重要性」が話されました。時間は短かったですが質疑応答は活発でした。主として目を掻く時の対処方法についてでした。

 成人編は佐藤健二が脱ステロイドにおける脱保湿の重要性と最近問題になっている経皮感作と乳児からの保湿の問題について話しました。水口先生はわかりやすい絵を基に脱ステロイドの経過とステロイドに対する立場の違いによる経過の評価の違いについて話されました。成人の体験談では信じにくい脱保湿の重要性の話と脱ステロイドをしても良くなることをNさんが、つい最近の入院の体験をOさんが、特に脱保湿の不思議を話してくださいました。時間が無かったため成人の質疑応答はできませんでしたが、会場外でいくつかの質問を受けました。

 司会はもう一人のOnさんがうまくおこなってくださいました。Kさんがわざわざ東京から応援に駆けつけてくださいました。その他、Sさんやお名前は出しませんが何人かの方が応援に来てくださいました。この方々の応援があってはじめて講演会がうまくできたと思います。ありがとうございます。

 31回も大成功だったと思います。オーガナイズしてくださったEさん、ご苦労様でした。

 懇親会へは20名ほどが参加しました。おいしい料理でした。話は大変盛り上がりました。

第31回アトピー性皮膚炎講演会in岐阜

5月 9th, 2015 | Posted by 佐藤 健二 in 講演会 - (0 Comments)

皆様

2015年6月21日に岐阜羽島でアトピックの講演会が開催されます。多数ご参加ください。

日時: 2015年6月21日 13:15-16-40 (開場13:00)
場所: 羽島市文化センター 401大会議室A
参加費: 無料(講演会のみ)
内容: 乳幼児患者編  講師 藤澤重樹先生 佐藤美津子先生 患者体験談 質疑応答
    成人患者編   講師 佐藤健二 水口聡子先生 患者体験談 質疑応答

懇親会: 講演会終了後 懇親会は実費負担です。

【移転】 ご報告が遅れましたが、皮膚科外来が移転しました(4月16日)。新しい診察場は、正面入り口を入り、左に5m行き、右に曲がって突き当たりまで行き、左を向くと「皮膚科」の看板が見えます。以前、訪問看護ステーション「やすらぎ」のあった場所で、隣には医療福祉課と事務室があります。待合は狭いですが皮膚科の前に有ります。
【2診体制】 移転しなければならなくなった理由は、皮膚科の診察が2診体制になるからです。診察曜日はこれまで通り火曜日と木曜日です。1診で山田貴博(やまだ たかひろ)が、2診で佐藤健二(さとう けんじ)が診察いたします。初診時、診察担当医師の希望があれば、皮膚科外来で看護師にお申し出ください。

皆様

最近在外の友人から連絡が入りました。下記の著者たちによって、アメリカ皮膚科学会雑誌の電子版に、アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用剤治療によってステロイド依存症が起こることが記述されたとのことです。

Hajar T, Leshem YA, Hanifin JM, Nedorost ST, Lio PA, Paller AS, Block J, and Simpson EL (the National Eczema Association Task Force)

A systematic review of topical corticosteroid withdrawal (“steroid addiction”) in patients with atopic dermatitis and other dermatoses.

J Amer Acad Dermatol (2015): doi:10.1016/j.jaad.2014.11.024

簡単に説明しますと、英語で記述された関連論文34編を調べて、「証拠の質は低いが」という留保条件を付けてはいるが、外用ステロイドの副作用として「外用ステロイド依存症 Topical corticosteroid addiction」を取り上げ、次の二つのことを明瞭に述べています。

「この副作用をより明瞭に理解すれば、アトピー性皮膚炎やその他の皮膚疾患の治療中に、薬物提供者、親、そして患者が十分な情報を得て治療を選択することができるようになるであろう」

A clearer understanding of this adverse effect will allow for fully informed choices by providers, parents, and patients during the management of atopic dermatitis and other dermatoses.

「外用ステロイド依存症は、外用ステロイドのよく知られたほかの副作用とは明確に区別される臨床的な副作用であるように思える」

Topical corticosteroid withdrawal (addiction) appears to be a clinical adverse effect distinct from other well-described topical corticosteroid adverse effects.

アトピー性皮膚炎に対する外用ステロイド治療でステロイド依存症が起こることを示す原稿が色々な形の妨害行動で印刷論文にならない日本の状況で、このような概説論文がアメリカ皮膚科学会雑誌に印刷出版されることは画期的なことです。この論文が出てくるに当たってはITSANのホームページなどの活動が大きな刺激になったことが示されています。日本でのアトピックの活動(ステロイドを使わない治療もアトピー性皮膚炎の治療と認めること、ステロイドに対する依存性の存在を認めること、小児にはできるだけステロイドを使わないことをガイドラインに記載することを日本皮膚科学会に求める署名活動)もITSANとの共同行動であり、この論文の印刷に影響を与えています。日本皮膚科学会は回答書を作成したと皮膚科学会雑誌に記述していますが、まだ回答書を送って来ていません。送らない理由が、この論文の出版を早く聞きつけ、この論文と矛盾しないように回答書を再検討しているのかもしれません。現在、日本ではアトピー性皮膚炎のガイドラインの改訂中です。ステロイド外用剤の依存性を認める内容を含んだガイドラインを早く作ってほしいものです。