脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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Author Archives: 佐藤 健二

 「大人になっても治らないアトピー性皮膚炎」というアトピーについての恐怖感が世間には蔓延している。しかし、アトピー性皮膚炎は、ステロイドのない時代には、患者の84%が大人になるまでに治癒していた。したがって別に恐れる必要の無い病気である。
 現在、アトピー性皮膚炎で問題になっていることは、発生率の増加ではなくて、アトピー性皮膚炎が治らなくなって、青年や成人で増加していることである。この増加は、ステロイド外用および最近ではプロトピックやネオーラルという免疫抑制剤の使用によるものである。この報道や研究内容には、アトピー性皮膚炎でのステロイドや免疫抑制剤の問題点から人々の目をそらすことが大きな隠れた目的としてあることは間違いない。勿論、企業の営利目的の治療研究であるのは言うまでもないが。
 研究では、生後一週間未満の赤ちゃんに8ヶ月もの間毎日1回以上保湿剤を全身に塗らせている。この時期、赤ちゃんの皮膚は自然環境に慣れる訓練をしている非常に重要な時期である。その時期にまったく人工的な保湿剤を皮膚に外用し、正常でない環境を作らせている。このように考えるのは以下の経験があるからである。
 父親自身がアトピー性皮膚炎で、その父親が自分の子どもにはアトピー性皮膚炎に罹患してほしくない一心で生下時から数ヶ月間毎日ワセリンをわが子に塗っていた。その子どもを私は診察した。その子どもの皮膚は、病的な光沢を持った角化の強い異常な皮膚であった。外用を中止すると正常な皮膚に戻った。赤ちゃんの皮膚に毎日不自然なことをすることの危険性を実感した経験である。
 報道された内容では、皮膚の発育にとって不自然な環境を作る危険性を含むものであることが検討されたかどうか不明である。もし検討されていたなら、このような研究計画は立てられなかったであろう。大変問題のある研究内容であるし、結論についての広報はアトピー性皮膚炎での混乱に拍車をかけるものである。
 なお、予防を行ってもアトピー性皮膚炎は発症している。この研究者たちは、発症した子どもたちをプロアクティブ治療でステロイド漬けにする。そして、現在のアトピー性皮膚炎の問題を再生産させる。根本的な解決から遠のくばかりである。このような研究者たちがいる限り、先は暗い。

珍しく成人男性部屋空床あり

9月 28th, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in 阪南中央病院 - (1 Comments)

9月28日現在、珍しく成人男性用の病床が数床空いております。入院を希望される方は入院待ちをしていただかなくてもすみます。ご希望があれば、火曜日あるいは木曜日の午前に(8:30-11:30)受診されるか、近隣のお医者さんに紹介状をいただいて、阪南中央病院医療連携課にご連絡ください。
前もって阪南中央病院のホームページの皮膚科の案内をお読みいただくとありがたいです。特に、地域包括ケア病棟の問題と高額医療制度の手続きについて読んでください。
入院中どのようなことをするのかは、ホームページ内の皮膚科に載せています「ぬまじり よしみ」さんが書かれた漫画、「阪南脱ステ日記」を読まれるとよく分かると思います。

ステロイドで皮膚バリア機能が低下する

8月 3rd, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in 医学論文 - (2 Comments)

アトピー性皮膚炎にリンデロンを塗ると皮膚バリア機能が低下する、という内容の論文が出ています。

Danby SG et al
Br J Dermatol 2014; 170: 914-21
The effect of tacrolimus compared with betamethasone valerate on the skin barrir in volunteers with quiescent atopic dermatitis

【結果の簡単な説明】
6ヶ月間症状の出ていないアトピー性皮膚炎の皮膚に吉草酸ベタメタゾン(リンデロンのこと)を4週間外用したら、皮膚のバリア機能が低下した。タクロリムス(プロトピックのこと)ではバリア機能が改善していた。

【佐藤のコメント】
標準治療を行う医師は、「アトピー性皮膚炎患者にステロイドを塗らないと、皮膚バリア機能が低下してアレルギーマーチが進む」、としばしば患者さんに説明する。しかし、ステロイドを塗ったらバリア機能が低下するならステロイドを塗ってもバリア機能の低下が進むことになり、前述の説明はできなくなる。
 プロトピックについては、皮膚バリア機構の問題よりもっと大きな問題があるので、この結果から安全だから使いなさいと言うわけには行かない。

27回アトピック福井講演会報告

7月 21st, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in 講演会 - (0 Comments)

皆様

 福井講演会は大成功でした。現地の方の宣伝活動が功を奏して、多数の親子連れの聴講がありました。都市の人口数からすると本当に大入り満員と言う感じです。席が200もありゆったり座っていただけ、授乳室もあったりで、こられた方には大変満足していただけたのではないかと思います。驚くなかれ、東京からKiさんが応援に来てくださいました。また、私の大失敗がありましたが、Eさんや現地の方のおかげで、私の大失敗をカバーしていただけました。E様、現地の皆様、平伏して感謝、感謝、感謝です。

 北陸地方の豪雨のため、サンダーバードの到着が遅れ、折り返し運転の出発が20分遅れました。敦賀への途中も少し徐行があったために、佐藤二人は敦賀へ30分遅れて到着いたしました。この電車の途中でEさんからメールが入り、私の大失敗が分かりました。心臓はドキドキでしたが、すぐ対策を採っていただけることが分かり、少しだけ安堵しました。
 到着するとすぐに現地の人々との講演準備の確認が始まりました。私たちはお昼弁当を食べていただけですが。司会(Tさん)と成人患者体験談(Koさん)のお二人は、2回目と言うこともありゆったりしておられました。現地の人々はしっかりしておられ、確認作業は簡単に終わり準備に入りました。その途中でKiさんが現れ、色々と手伝ってくださいました。
 到着した当座は聴衆と思しき人はほとんど見当たらず心配していましたが、会場を開放しますと、入るは入るは、すぐに半分くらい埋まってしまった感じでした。親子連れの参加が目立ち、現地の方の広報が幼小児関連施設であったことが非常に効いているなとすぐに感じました。最終的には100人近く参加されたのではないかと思いますが、正確な人数はEさんのほうからご連絡があるかと思います。
 子供向けの1部の司会者は、以前に成人体験談をされておられますので、余裕たっぷりに分かりやすい司会をしてくださいました。
 講演時間にかなり制限があったので、講演内容は少し減らす必要がありました。話すスピードを上げるより、焦点を絞ってゆっくりと分かりやすく話すほうが、初めて聞かれる方にとっては分かりやすいのではないかと思いました。話す内容は、世間で言われていることと大変異なる内容なので、理解する時間的余裕は十分あったほうが良いように思いました。話し残したことがあるのは話す者にとってはつらいことではありますが、質疑応答などで出てくれば話すというようにするしかないと思います。
 子どもの体験談(Mさん、Fさん)は大変説得的でした。また、お話も大変上手でした。写真も説得力がありました。何回か経験されておられと思うほどでした。
 休憩時間にITSANのアニメの日本語版を流しましたが、あまり見ていただけていなかったようです。提案ですが、1.皆さんに注目して聞いていただく時間をとる、2.英語の声を出さずに、日本語を読んで聞いていただく、というのはどうでしょうか。読むだけより内容が良く理解していただけるのではないかと思いました。
 現地の方の司会(Uさん)も大変上手でした。多数回のご経験をお持ちかと思うほどです。体験談(Tさん、Koさん)も分かりやすかったです。ご苦労様です。成人の話だけを聴きにこられた方は少数でしたが、やはりおられました。子ども用と大人用の二部制はやはり続けるべきということでしょう。
 全体をうまくコントロールされるEさんの采配はさすがですね。ご苦労様でした、またありがとうございます。そのほかの現地の方のご努力(上にお名前をお載せした人以外に、Saさん、Seさん。そのほかにお名前が出ていなかったらごめんなさい)があってこのようなすばらしい講演会を開くことができたと感謝しております。ご苦労様でした。
 懇親会も予定より人数が増え、わいわいと楽しく行えました。料理もおいしかったです。話も大変盛り上がっていたようです。

以上、簡単な福井講演会のご報告とさせていただきます。

佐藤健二

7/6 大阪でのビラ配布

7月 6th, 2014 | Posted by 佐藤 健二 in その他 - (2 Comments)

皆様

午後から小雨が降る日でしたが、10:00-11:30と13:30-15:00までの3時間、合計16人の参加でビラ配布を行いました。15:00が過ぎると急に雨が大降りになりました。ラッキー!
400枚のチラシを持っていきましたが、残ったのは69枚でした。
署名は109人にしていただきました。参加者が持参してくださったもの10名分を入れると、署名は119人分です。

まず、集合場所で本日の予定と紙ゼッケン、布のぼり、マイク用文章、古江批判表、マイクの使い方などの説明をしました。その後、慣れるために阪神側で集まって配布の予行演習をしました。その後2箇所に分かれました。
各人はお腹に言いたいことを書いた紙ゼッケンをテープで貼り付けて行動しました。昼食を食べに行くときもつけたまま移動しました。対向者はお腹の文章を珍しそうに見ていました。これは有効だったように思います。白い布にも文を書いて使おうとしましたが、幅がありすぎて使用は困難でした。
送っていただいたマイクと、携帯用のマイクを持っていきました。マイク用文章を3つ用意し、印刷しておきました。これがあったため、マイク係は不安なくマイクで語りかけることができました。自分からやりたいと皆さん申し出てくださいました。
質問に対して答えられるように、古江論文の皮疹の重症度変化の表を用意しました。これはあまり利用されなかったと思います。患者さんの直の言葉の方がはるかに聞く人にとっては心に響くものがあったようです。
ビラ配布は、JR大阪駅の南側(阪神百貨店側の道路)と阪急百貨店前の道路の2箇所で行いました。阪急百貨店側は陸橋の下で行ったため日差しと雨を避けることができました。阪神側の道路では(私はこちらの方にはほとんどいなかったのでいた人に報告していただきたいです)、JTBと小沢一郎の宣伝部隊がいましたが、これらに負けないようにがんばりました。持っていった赤ちゃんの経過写真を上手に説明されていたとのこと。小沢一郎宣伝部とはマイクが競合するので、20分毎に交代で小沢一郎宣伝部のマイクを使って(私たちのマイクよりはるかに大きな声がでる)アピールしました。
ビラを受け取ってくれるのはやはり出産後のお母さんやおばさんが多かったように思います。

以上のようでしたが、初めてにしては大変うまくできたのではないかと思います。署名も多くいただくことができました。もっと署名運動が広がることを期待します。