昨日(2024.12.03)毎日新聞朝刊の12頁に、一面全体を使って新リビメックス軟膏、クリーム、ローション(医療用のリドメックスと同じ薬剤)が大々的に宣伝された。初めて医療用と同じ濃度のものがドラッグストア、薬局、薬店などで医師の処方箋無しに購入できるようになった、と。そして「患部へのしっかりとした効き目と、安全性の両立を考えて設計」されたものと謳っている。副作用については「体内に吸収された後、低活性体になるため、全身作用がでにくい」と言って副腎機能抑制は出にくいことを言おうとしている。
現在皮膚科治療で問題になっているステロイド外用剤の副作用は、皮膚から吸収されて全身的に働く作用ではない。ステロイドを作る皮膚の機構が外用ステロイドによって抑制される副作用によって起こっている。外用ステロイドは皮膚の炎症を抑えるが、同時に皮膚でのステロイドホルモン産生を抑制する。長期にわたる後者の働きで皮膚がステロイド産生を止めてしまい、外用ステロイドがなくなると皮膚にはステロイドがなくなり、強いストレスが起こり、皮膚が悪化する。この悪化を防ぐためにステロイド外用が止められなくなる。この副作用、ステロイド依存性皮膚症についてはなにも記載していない。
最近テレビでもフルコートやリンデロン等のステロイド外用剤の宣伝が多くなっている。医師の処方箋無しに市販薬として自由に購入できるため、副作用の発見が遅れることになる。ステロイド依存性皮膚症の増加が心配である。
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