脱ステロイド、脱保湿、脱プロトピック療法 を行っている佐藤健二先生のブログ
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昨日(2024.12.03)毎日新聞朝刊の12頁に、一面全体を使って新リビメックス軟膏、クリーム、ローション(医療用のリドメックスと同じ薬剤)が大々的に宣伝された。初めて医療用と同じ濃度のものがドラッグストア、薬局、薬店などで医師の処方箋無しに購入できるようになった、と。そして「患部へのしっかりとした効き目と、安全性の両立を考えて設計」されたものと謳っている。副作用については「体内に吸収された後、低活性体になるため、全身作用がでにくい」と言って副腎機能抑制は出にくいことを言おうとしている。
 現在皮膚科治療で問題になっているステロイド外用剤の副作用は、皮膚から吸収されて全身的に働く作用ではない。ステロイドを作る皮膚の機構が外用ステロイドによって抑制される副作用によって起こっている。外用ステロイドは皮膚の炎症を抑えるが、同時に皮膚でのステロイドホルモン産生を抑制する。長期にわたる後者の働きで皮膚がステロイド産生を止めてしまい、外用ステロイドがなくなると皮膚にはステロイドがなくなり、強いストレスが起こり、皮膚が悪化する。この悪化を防ぐためにステロイド外用が止められなくなる。この副作用、ステロイド依存性皮膚症についてはなにも記載していない。
 最近テレビでもフルコートやリンデロン等のステロイド外用剤の宣伝が多くなっている。医師の処方箋無しに市販薬として自由に購入できるため、副作用の発見が遅れることになる。ステロイド依存性皮膚症の増加が心配である。
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佐藤 みわ、Tokuko Kameda、他50人

Journal of Investigative Dermatology に以下の二つの論文が載りました。
一つ目はこれです。
Cutaneous T-Cell Lymphoma after Dupilumab Use: A Real-World Pharmacovigilance Study of the FDA Adverse Event Reporting System
デュピルマブ使用後に皮膚T細胞リンパ腫:米国食品医薬品局副作用事例報告制度の実社会の薬物警戒研究
Lavin L, Dusza S and Geller S
J Invest Dermatol, 2025; 145:211-214
米国食品医薬品局副作用事例報告制度の報告を利用して研究しました。結論として、アトピー性皮膚炎の症状に対してデュピルマブを使用すると、痒みは減るが皮膚T細胞リンパ腫が増えたとのことです。しかし、喘息の症状や副鼻腔炎の症状に対して使用してもリンパ腫は増えないし、皮膚以外のリンパ腫や基底細胞癌、扁平上皮癌は増えていないとのことです。
この論文を受けてこの雑誌のコメント欄に以下の論文が出ています。
Cutaneous T-Cell Lymphoma and Dupilumab Use: A Multifactorial and Complex Story
皮膚T細胞リンパ腫とデュピルマブ使用:多因子的で複雑な話
Beylot-Barry M and Staumont-Salle D
J Invest Dermatol, 2025; 145: 9-11
このコメントの要旨は臨床的示唆に出ています。
「臨床的示唆
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は、デュピルマブ開始後に生じることがある。
薬物警戒資料は、アトピー性皮膚炎を持つ患者のみがデュピルマブに関連したCTCLを経験していることを示唆している。
もしアトピー性皮膚炎がデュピルマブ開始前に非典型的な像を示したり治療中に悪化すればCTCLの診断を考慮すべきである。」
そして次の考えを示している。
「デュピルマブ関連CTCL発症の奥にある機構は議論のある所だが、おそらく色々な重複する要因が関係しているであろう。
仮説として:
前もって存在する皮膚の炎症が、デュピルマブで治療された患者においてCTCLが発生する必須の段階であり、おそらく腫様発生的慢性炎症とデュピルマブが作った免疫調節変位の両者が関わり、T細胞のクローン出現を促進させているのであろう。」
佐藤健二の意見:
アトピー性皮膚炎で慢性炎症があれば長期にわたりステロイド外用があるはずで、これによる皮膚での免疫低下などをなぜ考慮あるいは検討しないのであろうか。「重複する要因」の一つとして至急に検討されるべき課題だと考える。
また、2018年医療現場に出てからかなり短期に重大な副作用が出てきているから、デュピルマブの安全性についても慎重な検討が必要だと考える。少なくとも短期で終了できる治療が必要と考える。

Information for TSW/NMT sufferers

阪南中央病院で脱ステロイド・脱保湿を希望する外国人患者へのお知らせ

 

アトピックのホームページの中にある

INFORMATION FOR TSW/NMT SUFFERERS

TITOLES OF CONTENT

https://atopic.info/

をご覧ください。

 

日本政府は、日本の医療保険を持たない患者に対して、日本の医療制度で請求する医療費より多くを請求しないように指示しています。阪南中央病院はその指示に従っています。日本の医療保険を持っている患者の支払いが少ない理由は、医療保険で7割が支払われるからです。高額医療制度を利用すると支払いは更に易くなります。

 

このお知らせを公表するまでには、病院事務、アトピックのお世話係などに大変お世話になりました。

第53回アトピ-性皮膚炎講演会にご参加の皆様。

お忙しい時に多数ご参加いただきありがとうございました。アトピー性皮膚炎の標準治療について色々な問題のあることを知っていただけたと思います。お話の内容をじっくり考えていただいてよりよりアトピー治療につなげていただければと思います。

久しぶりの対面式の講演会で参加していただけるか少し不安でしたが会場がほとんど満員になっていたようで大変うれしく思います。またたくさんの質問をしていただき話す方も元気が出ていました。

講演会の後の懇親会も多数ご参加いただき大変盛り上がっておりました。ぜひ今後もご参加いただき、知識を広め、友人を多く作っていただきたいと思います。

講演会ではボランティアさんが色々面倒を見てくださったおかげで、進行が大変スムーズに行えました。記してお礼申し上げます。お疲れ様でした。

佐藤健二

非ステロイド喘息治療薬230201 Non steroid asthma medication

 

  1. β2刺激薬 β2stimulators

サルブタモール硫酸塩 salbutamol sulfate

ベネトリン Venetlin  4mgx3回/日

サルタノール Sultanol

プロカテロール塩酸塩水和物 procaterol hydrochloride

メプチン Meptin 50μgTx1-2回/日

エアー、キッドエアー、スイングヘラー

Air, kid air, swinghaler

ツロブテロール tulobuterol

ホクナリン Hokunalin

ドライシロップ、 テープ 1日1回2mg

クレンブテロール clenbuterol hydrochloride

スピロペント Spiropent 20μgTx2回/日

サルメテロールキシナホ酸塩 salmeterol xinafoate

セレベント Serevent 50μg 1日2回

2.テオフィリン薬 theophylline

テオドール Theodur 100mg x 2回

テオドール Theolong 200mg x 1回

アミノフィリン aminophylline

ネオフィリン Neophyllin 100mg x 3回/日

点滴

プロキシフィリン proxyphylline

モノフィリン Monophyllin 100mg x 2回/日

3.抗コリン薬 anticholinergics

チオトロピウム臭化物水和物 tiotropium bromide hydrate

スピリーバ Spiriva 1日1回2吸入 inhale

グリコピロニウム臭化物 glycopyrronium bromide

シーブリ Seebri (inhalation capsule)

4.ロイコトリエン拮抗薬 leukotriene receptor antagonist

プランルカスト水和物 pranlukast hydrate

オノン Onon 112.5mg 2capx2回/日

プランルカストPranlukast